米国の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○緩和基調で推移した2000年、2001年は需給バランス改善へ


2000年の生乳生産は前年比3.2%増

 米農務省(USDA)によると、2000年の生乳生産量は、近年の増加傾向が継続
し、前年比3.2%増の7,618万トンとなった。これは、前年に次ぐ大幅な増加であ
り、4年連続で過去最高を更新した。こうした増産の最大の要因は、経産牛頭数
が15年ぶりに前年水準を上回ったことである。経産牛頭数は、96年以降収益性が
総じて良好となったため、西部諸州を中心に生産者の増頭意欲が刺激されるとと
もに、小規模経営の廃業も抑制されたことから、99年に減少傾向に歯止めがかか
り、2000年には前年比0.8%増の923万頭となった。これに加え、1頭当たり乳量
が、良質な粗飼料供給に恵まれたことや、トウモロコシ価格の低迷を受けて安価
な穀物飼料が多給されたことなどから、増加傾向で推移したことも、増産を後押
しすることとなった。

◇図:経産牛頭数および1頭当たり乳量の推移◇


供給過剰で2000年の生乳価格は下落

 一方、2000年平均の生乳の生産者販売価格(グレードA(飲用規格乳)価格お
よびグレードB(加工用規格乳)価格の加重平均)は、前年比14.5%安の12.34ド
ル/100ポンド(32円/kg:1ドル=117円)と、2年続きの下落となった。生乳価
格は、チーズやバターなどの乳脂肪を中心に需要が堅調に推移したものの、これ
を上回る生乳が供給されたことから、秋口の需要期にあっても上昇に転じること
がなく、年平均では91年以来の低水準となった。


増産ペース鈍化で乳価は回復へ

 生乳生産は2000年12月、2年2ヵ月ぶりに前年水準を下回り、生乳価格も同
年12月以降前年を上回って推移している。また、規模の小さい酪農家はこれまで、
政府の所得補てん措置などにより経営を維持してきたが、2000年秋以降は、生乳
価格に回復の見通しが立たないとして、経営に見切りをつけて廃業するケースが
増えていると伝えられている。こうしたことから、USDAでは、過去の高収益を
反映した増産はようやく終息し、2001年の経産牛頭数は前年を下回って推移する
と分析している。しかし、潤沢な粗飼料供給などを反映して、1頭当たり乳量は
増加傾向が継続することから、2001年通年の生乳生産量は、増加のペースが鈍化
するものの、前年を1.0%程度上回る7,693万トンに達すると見込まれる。一方、
生乳価格は、供給増加がどの程度弱まるかによるものの、12ドル台後半まで回復
するとみられる。

◇図:生乳生産量および生乳価格の推移◇

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