◇絵でみる需給動向◇
タイブロイラー加工輸出協会が公表した今年上半期の鶏肉輸出量は、前年同期 比で38.3%増の20万トンとなり、第1四半期(39.0%増)に引き続き好 調を維持している。形態別では、冷凍鶏肉が33.7%増の14万6千トン、鶏 肉調製品が52.4%増の5万4千トンといずれも大幅に増加しており、鶏肉調 製品の伸びが冷凍品を追い越す傾向が続いている。なお、輸出額も同様に、冷凍 鶏肉が39.8%高の99億3千万バーツ(約278億1千万円:1バーツ=2. 8円)、鶏肉調製品が52.4%高の70億3千万バーツ(約196億9千万円) と大幅に伸びており、鶏肉調製品の健闘ぶりを示すものとなっている。 ◇図:上半期の形態別輸出量の推移◇
上半期の輸出動向を地域別に見ると、EUを主体とする欧州向けが前年同期比7 2.0%増の7万6千トンと著しい増加を見せた。これは、欧州で再燃・拡大し た牛海綿状脳症(BSE)および口蹄疫への懸念から消費者の選択が鶏肉へ大きく シフトしたことが主因である。上半期で1位の日本向け輸出との差は1万トン弱 に縮まっており、第3四半期にはEU向けが日本向けを上回る可能性が強まってき た。 国別にみると、ドイツが前年同期比78.1%増の2万9千トン、オランダが 65.3%増の2万5千トン、イギリスが77.0%増の2万トンとなり、3ヵ国 併せて欧州向けの97%を占めるこれらの国々が揃って大幅に増加している。
一方、アジア向けは、前年同期比23.7%増の12万4千トンとなった。前 年同期ではアジア向け全体の7割近くのシェアを占めていた日本向けは鶏肉調製 品が27.9%増の2万3千トンと大幅に増加したものの、冷凍鶏肉が3.2%減 と前年同期を割り込んだことから全体としては伸び悩み、3.6%増の8万4千 トンに止まった。同協会は当初の予測で、今年の総輸出量に対する日本向け輸出 量の割合を52%と見込んでいるが、上半期の時点では前年同期と比較して14 ポイント減少して42.1%となっており、日本市場への依存度はますます弱ま りつつある。 その他のアジア向けでは、韓国が6倍の1万6千トン、中国が2.7倍の6千 トン、マレーシアが2.2倍の4千トンになるなど、香港向けを除いて大幅に増 加した。日本を除いた他のアジア向けの合計は47.6%増の4万トンとなって おり、アジア全体の3分の1を占めるまでになっている。 ◇図:地域別輸出状況(2000年1月〜6月)◇ ◇図:地域別輸出状況(2001年1月〜6月)◇
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