米国の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○豚肉輸出、2001年上半期は好調に推移


輸出量は日本向けを中心に3割を超える伸び

 米農務省(USDA)によると、2001年1〜6月の豚肉(枝肉重量ベース)輸
出量は、前年同期比32.4%増の38万1千トンと大幅に増加した。この背景
には、口蹄疫など欧州で相次いで発生している家畜感染症の影響などもあり、特
に日本への輸出が34.4%増の18万7千トンとなったことなどがあるといわ
れる。日本では冷凍品を中心に豚肉輸入量が急増し、米国産の冷凍豚肉に関して
は、3月以降連続して前年同月比2倍前後の伸びを示した。こうした豚肉輸入の
急増もあり、日本では今年8月1日から翌年3月31日までの間、豚肉等に係る
関税の緊急措置が発動されている。

 また、ソーセージなど加工向けを中心に需要が伸びているロシア向けは2万5
千トンと、前年同期に比べ60倍以上の伸びとなった。経済の回復などで食肉消
費が大きく伸びているメキシコ向けは7万2千トンと前年に比べて3割近く増加
し、依然好調に推移している。海外への輸出戦略上、本来は国内向けとなるもの
の一部も輸出に回しているカナダ向けは、54.2%増の4万5千トンとなった。

◇図:2001年上半期における豚肉輸出量の増減◇


USDAは通年の輸出量を70万トンと予測

 2001年の豚肉輸出量について、USDAは枝肉重量ベースで前年比18%超の
70万トンに達するとの予測を示している。USDAは、この伸び率が最近3年間で
最大であると述べ、今年については、上半期の日本、カナダおよびメキシコへの
輸出増が大きく寄与するとしている。

 USDAは、2001年8月に日本で発動された豚肉等に係る関税の緊急措置によ
り、日本向けの輸出が鈍化する可能性を指摘する一方、カナダ向けの米国産豚肉
の輸出量は、通年でも前年比50%を超えるものと予測している。

 メキシコ向けについては、今年上半期の輸出量が前年に比べ約3割増となって
いることを踏まえつつ、USDAのアナリストは、米国・カナダとも今年後半は、従
来ならば日本向けとするものをメキシコへ仕向けるため、同国の豚肉市場におけ
る競争が激しくなるとの見通しを示している。


主要輸入相手国の仕向け先変更で豚肉輸入量は2割減

 これに対し、今年上半期の輸入については、カナダからの生体豚輸入頭数が前
年同期比22.9%増(248万7千頭)となった一方で、豚肉は12.3%減
の19万3千トンとなった。これは、米国の主要な豚肉輸入相手国であるカナダ、
デンマークが、いずれも日本への輸出を増加させたことによるとみられている。
USDAでは、通年の豚肉輸入量について、2001年は前年比5.3%減の41万
5千トン、2002年は4.8%増の43万5千トンと見込んでいる。

 なお、カナダ産生体豚の輸入増加の背景などについては、本誌2001年9月
号を参照されたい。

◇図:上半期における豚肉輸入量の比較◇

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