2001年上半期のブラジル鶏肉輸出量は44%増
EU、中東向けの輸出量が大幅増加
ブラジル鶏肉輸出業者協会(ABEF)がとりまとめた輸出動向(速報値)による
と、2001年上半期(1〜6月)の鶏肉輸出量(骨付きベース。以下同じ)は、前
年同期比44.0%増の59万トンとなった。また、同輸出額は、トン当たりの平均
輸出価格が16.9%高となったこともあり、68.3%増の6億2,600万ドル(約75
1億2千万円:1ドル=約120円)に達した。
輸出量を形態別に見ると、丸どりが前年同期比33.4%増の27万6千トン、パ
ーツが54.9%増の31万4千トンとなった。輸出全体に占めるパーツでのシェア
は、前年同期比で3.8ポイント上昇し53.3%となり、丸どりのシェアを上回っ
た。
輸出量を地域別に見ると、丸どりの主要市場である中東向けは、供給過剰によ
る輸出価格の著しい低下により同地域向けの輸出を手控えていたが、輸出価格の
回復に伴い、39.5%増の22万トンと大幅に増加した。しかし、こうした増加は、
供給過剰による値崩れを再び招く恐れがあるとして、鶏肉業界では、下半期にお
いて同地域向け輸出を再び手控える動きがあるものとみている。
パーツの主要市場であるEU向けは、牛海綿状脳症(BSE)および口蹄疫問題の
影響で牛肉や豚肉の代替としての鶏肉需要が増加したことから、2.2倍の12万2
千トンと大幅に増加した。
日本向けはEUへの輸出拡大により減少
日本を含むアジア向けは、5.7%増の14万8千トンとなり、輸出全体に占める
シェアは9.1ポイント下げて25.0%となった。このうち日本向けは、7.0%減
の5万4千トンとなったが、これはEUへの輸出が拡大したことに伴う減少と思わ
れる。また、香港向けは6万5千トンと6.8%増の伸びにとどまった。この要因
のひとつとして、ABEFでは、香港へ輸出された鶏肉の多くが中国に再輸出される
とみられるが、その中国が5月半ばにブラジル産食肉輸入を停止したことを挙げ
ている。
南米のアルゼンチン向けは、同国政府が2000年7月にブラジル産鶏肉丸どりに
対し導入したアンチダンピング措置が継続中であることから、53.1%減の1万
2千トンと大幅に減少した。
2001年の輸出量は過去最高の見込み
そのほか、新興市場では、ロシア向けが32.9倍の2万8千トン、南アフリカ
向けが2.4倍の1万2千トン、キューバ向けが3.2倍の1万1千トンと、いずれ
も大幅に伸びた。
ABEFでは、アルゼンチンによる輸入規制措置、中国によるブラジル産食肉輸入
停止措置など懸念材料はあるものの、レアル安、欧州におけるBSEおよび口蹄疫
問題などによる影響で、好調な鶏肉輸出は下半期も続くとみており、2001年の輸
出見込みを上方修正し、過去最高であった前年と比べ21.3%増の110万トンとし
ている。
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