タイの鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○低下傾向が続くブロイラー生産費


生産費は2年連続で低下

 タイ農業協同組合省が発表した2000年のブロイラー生産費は、前年比0.7%減
の1羽当たり46.4バーツ(約130円:1バーツ=2.8円)となり、99年に引き続
いて前年を下回った。ブロイラー生産費は、97年に発生した経済危機の影響が最
も鮮明となった98年の53.1バーツ(約149円)をピークに2年連続で低下したこ
とになるが、こうした生産費の低下傾向は、好調な輸出と共に最近の堅調なブロ
イラー生産を下支えしているものと思われる。


ひな費が13.5%の減少

 2000年の生産費の内訳を個別に見ると、全体の2割を占めるひな費は前年比13
.55%とかなり大きく低下して7.96バーツ(約22円)となった。ひな価格の推移
を見ると、2000年の4月までは、後半に大暴落を招いた99年と対照的に高水準で
安定して推移したものの、中盤には生産過剰の影響で下落に転じ、6月には1羽
当たり4.77バーツ(約13円)と、最高値となった3月の9.67バーツ(約27円)
と比較して半分以下に落ち込んだ。しかし、その後は好調な輸出にけん引され、
7月以降は8バーツを超える水準で推移した。なお、2001年に入ると、再び生産
過剰への警戒感から1月にはいったん3.55バーツ(約10円)まで下落したものの、
大幅な輸出の増加を受け、2001年4月のひな費は昨年前半の水準まで上昇してい
る。

◇図:ひな価格の推移◇


飼料費はわずかに上昇

 一方、生産費の7割を占める飼料費は、大豆かすの輸入価格が前年比22.2%増
の1トン当たり8,425バーツ(約23,590円)と大幅に上昇したこともあり、前年
比2.5%増の33.4バーツ(約94円)とわずかに上昇している。2000年の育すう用
の配合飼料価格は、6.39バーツ/kg(約18円)と99年とほぼ変わらないものの、
肥育用は8.29バーツ/kg(約23円)と約3%上昇している。しかしながら、ひな
費の下落幅が大きかったことから、生産費の大部分を占める飼料費の増大も、全
体的な押し上げ要因にはならなかったものとみられる。

◇図:飼料価格の推移(肥育用)◇

ブロイラー生産費

 資料:タイ農業協同組合省

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