世界の飼料穀物の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○前年水準に及ばない米国のトウモロコシ作柄



前年同時期と比べ作柄は低水準

 米農務省(USDA)は先頃、7月29日現在の米国におけるトウモロコシの作柄動
向を公表した。これによると、主要18州の作柄状況は、「優」(Excellent)と
「良」(Good)の合計が64%で、前週(7月22日現在)と比較して5ポイント上
回ったものの、前年同期の74%より10ポイント下回っている。州別では、ノース
カロライナ州の84%からミシガン州の39%と大きく格差が見られる。また、生育
状況は、シルキング(雌穂の開花)が完了した比率が前年同期を8ポイント下回
る79%、ドウ(受粉後、ミルク状穀粒の中身が柔らかい固まりになった状態)の
比率は前年同期を4ポイント下回る21%となっている。しかし、最近5年間の平
均との比較ではそれぞれ、4ポイント、5ポイント上回っている。

◇図:米国産トウモロコシの単収の推移◇


単収は昨年実績を下回る見込みも

 先に公表されたトウモロコシ作付け調査(6月30日現在)によると、2001/02
年度のトウモロコシ作付面積は3,080万ヘクタール(前年度比4.4%減)と前年を
下回っている。

 トウモロコシの作柄は、一般的に8月の気象状況に左右されるものの、現在の
作柄状況が前年度より低い水準となっていることから、今後の天候が順調に推移
しても、単収の低下(前年の水準は(137.1ブッシェル/エーカー))は避けら
れないものと見られる。USDAが7月11日公表した予測では、2001/02年度のトウ
モロコシ生産量は、前年度比4.7%減2億4,118万トンと見込まれている。

◇図:飼料価格の推移(肥育用)◇


2001年のトウモロコシと大豆の作付面積はほぼ同じとなる見込み

 一方、大豆の作付面積は、前年比1.2%増の3,053万ヘクタールとなり、とうも
ろこしの作付面積とほぼ同じとなっている。州別に見ると、主要生産州のうち、
イリノイ、アイオワ、ネブラスカ、オハイオ、ウィスコンシン州でいずれも大豆
の作付面積の増加が見られる一方で、トウモロコシの作付面積が減少している。
今年、大豆の作付面積が増加した要因としてとしては、トウモロコシの作付に遅
れが見られたこと、大豆生産者に対する補助の水準が高いことなどが挙げられて
いる。90年以降、大豆の作付面積は増加傾向で推移しており、今年は過去最高の
作付面積となっている。

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