今年の夏収穫穀物は減産見通し(中国)


収穫量は前年比4.6%減の1億188万トン

 国家統計局は先頃、2001年夏収穫穀物(6月末までに収穫される穀類、いも類、
豆類)の収穫量を、前年比4.6%減の1億188万トンと発表した。昨年も前年比9.
3%の減であったことから、2年連続の減産となった。

 地域別には、安徽、山西、河南、甘粛の各省で前年より増産となったものの、
その他の省では減産となっている。特に江蘇、山東、四川、河北省での減産が顕
著となっている。

 今年の夏収穫が昨年実績を下回った要因として、農業構造の調整に伴う耕地の
減少が挙げられている。国土資源部が実施した、各省・自治区・直轄市の2000年
度土地利用現状変更調査によると、2000年10月31日現在、中国の耕地面積は1億
2,824万3千ヘクタールで、1年間に96万2千ヘクタールの減少となった。減少
の内訳は、耕地の転用が16万3千ヘクタール、災害による耕地破壊が6万2千ヘ
クタール、農業構造調整による耕地減少が26万6千ヘクタール、生態系保護のた
めの耕作中止が76万3千ヘクタールであり、一方で、29万1千ヘクタールの耕地
が新たに開拓されたとしている。

 夏収穫作物の作付面積については、前年比4.5%減の2,825万ヘクタールであっ
た。


減産理由には長引く干ばつ被害等も

 減産のその他の要因は干ばつ等によるもので、20以上の地域が今春から夏にか
けて広く被害を受けている。洪水・干ばつ対策担当局によると、7月初旬までに
全国で干ばつの被害にあった農地面積は約1,486万7千ヘクタールに及んでおり、
1,514万人と1,110万頭の家畜が飲料水不足に直面しているとしている。干ばつ
の被害は黒龍江省、山西省の大部分、内蒙古(モンゴル)自治区の中西部、甘粛
省の大部分、陝西省北部などに広がっている。

 干ばつの影響などにより、単収は前年比0.1%減の1ヘクタール当たり3,600kg
となった。


減産でも価格には影響なし

 国家統計局によると、減産にもかかわらず、穀物価格は上昇しないとしている。
過去数年分の豊富な備蓄穀物があること、個々の農家でも必要分の穀物を十分に
蓄えていることをその理由としている。

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