◇絵でみる需給動向◇
ブラジル農務省は2月26日、2001/02年度における主要な穀物(油糧 種子を含む13品目)について、国家食糧供給公社(CONAB)が実施した第3回 生産状況調査結果を発表した。 同調査は、主要生産地帯である中央・南部(南部、南東部、中西部の総称)に おいて1月末から2月初めに実施されたものであるが、調査時期が生産後期に当 たることから、現実に近い生産量が予測されている。この調査結果によると、主 要13品目の生産量は、前年度比2.3%増の1億54万トン(作付面積は4.7 %増の3,924万ヘクタール)と見込まれており、これが現実のものとなれば、 史上初めて1億トンに達することになる。今回の生産予測では、12月初めから 1月下旬にかけて、ブラジル南部のリオグランデドスル州を中心に干ばつが発生 したことから、南部における夏作トウモロコシや大豆に減産が見られるが、これ らの減産は、その他の生産地での順調な降雨による増産でカバーされている。 作物別に見ると、大豆、フェイジョン豆、およびコメが増加する一方、トウモ ロコシ、綿花が減少している。特に大豆は、前年度比11.6%増の4,154 万トンと過去最高となる見込みである。
需要量の大半が国内の家畜飼料向けとなるトウモロコシの生産量は、前年度比 8.7%減の3,791万トン(作付面積は5.1%減の1,231万ヘクタール) と見込まれている。このうち、夏作(第1期収穫分)の生産量は、15.3%減の 2,985万トン(作付面積は10.5%減の944万ヘクタール)、冬作(第2 期収穫分)は、27.7%増の806万トン(作付面積は18.4%増の287万 ヘクタール)と見込まれている。冬作の作付面積の増加要因は、夏作の減産見込 みからトウモロコシ価格の上昇が見込まれたことが大きい。 ◇図:ブラジルの主要穀物(13品目)生産量の推移◇
夏作トウモロコシに減産が見込まれる中、プラチニデモラエス農相は1月中旬、 冬作トウモロコシ生産者などに対し、ブラジル銀行による農業融資の一部を前倒 しで実施すると発表している。これは、主に、パラナ州、サンパウロ州、マット グロッソ州、マットグロッソドスル州、ゴイアス州、ブラジリア連邦区、バイア 州の冬作トウモロコシ生産者による肥料及び種子の購入を対象としたものであり、 生産者の作付け意欲を刺激することが狙いとされている。また、中央・南部にお ける冬作トウモロコシの作付け進ちょく率(3月1日現在)は、前年同期を11 .0ポイント上回る31.4%で、良好な作付け状況となっている。 ◇図:ブラジルのトウモロコシ生産量の推移◇
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