◇絵でみる需給動向◇
ミート・ニュージーランド(MNZ)によると、2000/01年度(10〜 9月)6月末時点の牛飼養頭数は、前年比2.9%増の927万4千頭となった。 特に増加したのは乳用牛で、南島への新規参入の酪農家が増えたため、生産が活 発化したことにより飼養頭数は増加した。 牛飼養頭数の増加を背景に、2000/01年度の牛枝肉生産量は、前年度比 4.2%増の59万1,400トンと2年連続で増加した。97/98〜98/ 99年度の枝肉生産量は、2シーズン連続の干ばつなどにより前年度を下回った ものの、2000/01年度は前年度に引き続き回復傾向を維持した。しかし、 高い水準で推移していた94/95〜97/98年度の生産量には達していない。 ◇図:牛飼養頭数の推移◇
枝肉生産量の増加を反映し、NZからの牛肉輸出量(製品ベース)は前年度比5. 8%増の32万8,960トンとなった。輸出先を地域別に見ると、輸出量の7 6%を占める北米地域(カナダ、メキシコ、米国)向けが前年度比5.4%増の 25万705トンとなっている。北米地域の中でも特にカナダは前年度比237 %増と大幅に増加した。一方、米国向けは同12.0%の減少となった。カナダ 向けが大幅に増加した要因としては、99/2000年度が低水準であったのに 加え、米国の牛肉関税割当枠が満たされたことによる輸出先変更や南米における 口蹄疫発生による代替供給の需要が生じたことを挙げている。北米地域に次いで 大きな輸出先となっているのは、日本や台湾を中心とした北アジア地域である。 北アジア地域への輸出量は、前年度比7.2%増の4万1,889トンとなった。 中でも増加が大きかったのは日本向けで、前年度比27.6%増の1万6,71 3トンとなった。MNZでは、北アジア地域における輸出増加は、NZ産牛肉への安 全性評価やMNZによる販売促進活動によるものとしている。 輸出量の対前年度増加率が5.8%であったのに対し、輸出額の増加率は21. 0%増と大幅に上回っている。このことはNZ産牛肉の輸出価格が高値となったこ とを示したものである。2000/01年度を通じたNZドル安も輸出を後押しし た一因とみられる。 ◇図:牛肉輸出量の推移◇ ◇図:NZ畜産物輸出額◇
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