◇絵でみる需給動向◇
タイブロイラー加工輸出協会が公表した2001年におけるタイのブロイラー 輸出量は、前年比31.6%増の43万8千トンと大幅に躍進した。輸出額も、 世界的な鶏肉需要の高まりを受け、同40.5%増の383億1千万バーツ(約 1,206億7,650万円:1バーツ=3.15円)と大幅に増加した。20 00年の前年に対する輸出量の伸び率も21.6%と大きかったものの、輸出価 格は16.1%の伸びに止まっていたことを考慮すると、2001年のブロイラ ー業界がいかに活況を呈したかがうかがえる。 輸出の状況を分野別に見ると、冷凍鶏肉が前年比30.4%増の32万1千ト ン、鶏肉調製品が同34.8%増の11万7千トンとなっており、鶏肉調製品の 伸びが冷凍鶏肉を上回る傾向が2001年を通じて続いた。しかし、輸出額で は、冷凍鶏肉が同44.4%増の231億バーツ(約727億6,500万円)、 調製品が同34.8%増の152億1千万バーツ(約479億1,150万円) と年末にかけて輸出を加速した冷凍鶏肉が、伸び率の上では調製品を上回ってい る。
地域別では、両者の合計で全体の99.7%を占めるアジア向けと欧州向けが 共に大幅に増加した。アジア向けは、7割以上を占める日本向けが前年比20. 1%増の21万5千トンとなったほか、その他の国々も同51.5%増の7万3 千トンと全体の輸出の伸びに大きく貢献した。中でも、韓国が約3倍の3万トン、 中国が約2倍の1万2千トンと前年を大幅に上回っている。 牛海綿状脳症(BSE)や口蹄疫の影響で、鶏肉需要が大きく増加した欧州でも、 主要国のドイツ、オランダ、イギリスがそれぞれ1.4〜1.5倍になった結果、 欧州全体では同41.8%増の14万9千トンと大幅に増加した。 ◇図:タイのブロイラーの地域別輸出状況(2000年)◇ ◇図:タイのブロイラーの地域別輸出状況(2001年)◇
同協会は2002年の輸出量予測について、冷凍鶏肉が前年比2.9%増の3 3万トン、鶏肉調製品が同11.1%増の13万トン、合計では5.1%増の4 6万トンと、2001年の実績と比較するとかなり控え目に見積もっている。こ れは、2001年の月ごとの輸出量の伸びが次第に鈍化の方向に向かったためと 思われる。なお、地域別の輸出量予測では、日本向けおよび欧州向けがそれぞれ、 2〜3ポイント上昇するとした反面、2001年の伸び率が高かった日本以外の アジア向けなどは5ポイント低下するとしている。 ◇図:タイのブロイラー地域別輸出割合◇
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