◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランド(NZ)の巨大乳業メーカーであるフォンテラによると、2 002年2月の生産者乳価(生産者に前払いされる暫定乳価)は、乳固形分1キ ログラム当たり3.65NZドル(約212円:1NZドル=58円)と2001/ 02年度(7〜6月)初めに打ち出した乳価予測を大きく下回る結果となった。 フォンテラは、2001/02年度の生産者乳価を年度当初、5.40NZドル (約313円)と予測していたが、2月の乳価は、これを大幅に下回るものとな った。2002年2月の生産者乳価が大幅に下がった要因としては、国際乳製品 市況が下降局面にあることと、EUの補助金付きの脱脂粉乳輸出が増加したことな どが挙げられている。 フォンテラでは、年度途中に暫定的な乳価を発表しており、毎月の支払いはそ の乳価により行なわれる。最終的には、年度の最後にその年度の確定乳価が発表 され、それに基づきそれまで毎月支払われていた乳価が精算される。2002年 2月の乳価も年度最後には精算されることとなる。 ◇図:生産者乳価の推移◇
2002年2月の生産者乳価は下がったものの、フォンテラは、2001/0 2年度の最終的な生産者乳価は前年度を4.0%上回る同5.20NZドル(約30 2円)になると予測している。年度当初の予測値よりやや安値となったものの、 依然として高値水準であることに変わりはない。 2002/03年度の生産者乳価についてフォンテラは、前年度と比較すると 13.5%減の同4.5NZドル(約261円)と予測している。大きく減少する予 測となっているが、国際乳製品価格や為替動向の推移から予測した最も適切な乳 価であるとしている。
フォンテラは、法人設立後初めてとなる2001/02年度上半期(6〜11 月)の収益を発表した。2001/02年度上半期の総売上高は70億NZドル (約4,060億円)、同期の経常利益は約30億NZドル(約1,740億円) と、年度始めの好調な国際市況を反映した結果となっている。NZ最大の企業のひ とつであるテレコムの総売上高が56億NZドル(約3,248億円)、利益が6 億4,300万NZドル(約373億円)であることを考えても、フォンテラの財 務状況は非常に良好なものであるといえる。フォンテラでは、2001/02年 度末までに59億NZドル(約3,422億円)の経常利益を見込んでおり、この ように好調な業績は生産者乳価にも反映されるとしている。
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