◇絵でみる需給動向◇
2001年の脱脂粉乳の生産量は、生乳生産量の減少などから65万トンと前 年比1.2%の減少となったものの、3年連続で60万トン台の水準となってい る。脱脂粉乳の卸売価格(西部諸州のFOB価格)は、90年代前半から消費者の 低脂肪志向の高まりから、上昇したものの、90年代後半には脱脂粉乳などの代 替として、安価な濃縮乳たんぱくの輸入が急増したことなどから低下した。20 01年5月以降は、需給の緩和などにより1ポンド当たり100セント(約29 8円/kg:1ドル=約135円)を下回る水準で推移している。 ◇図:脱脂粉乳の生産量および価格の推移◇
CCCは、卸売価格が米農務省(USDA)の設定した脱脂粉乳の買上げ価格 (1ポンド当たり90セント(約268円/kg))水準で低迷したことから、買 い上げ数量が増加している。2月22日までの5週間では2万8,220トンの 脱脂粉乳を買い上げており、その結果、2002年2月末時点でCCCが保有する 未処分在庫は前年同月比74.4%増の35万6千トンとなっている。一方、民 間在庫は、前年が高水準であったことから2001年に入り、前年同月を下回っ て推移しており、2001年12月末現在で前年同月比27%減の5万5千トン となっている。(左グラフ参照)
米国では、米国産の粉乳などに対し、海外市場における競争力確保などを目的 とした輸出補助金として乳製品輸出奨励計画(DEIP)が行われている。2000 年12月に2年ぶりに脱脂粉乳の政府在庫が発生して以降、在庫処分のためにDE IPを利用した輸出が再開され、2001/2002年度(7月〜6月)について は脱脂粉乳の割当数量は、年間68,201トンと設定されている。在庫が大量 に積み増しとなっていることから、DEIPによる輸出により、2001年7月から 2002年1月までに35,917トンを消化し、これは割当数量全体の52. 7%となっている。
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