米国の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2001年の豚肉貿易、輸出は史上最高、輸入は微減


輸出は主要4市場で軒並み大幅増

 米農務省(USDA)によると、2001年の豚肉輸出量(枝肉重量ベース)
は、前年比21.4%増の70万9千トンと史上最高を記録した。主な市場別に
見ると、最大の輸出先である日本は、前年比27.5%増の33万7千トンとな
り、シェアは前年から2.3ポイント増加した。これは、日本国内における牛海
綿状脳症(BSE)問題により、牛肉から豚肉への需要のシフトが大きな要因とし
ている。第2位のメキシコ(シェア20.4%)は、加工向け需要の増加、人口
増加や消費者の食肉のし好の変化などに伴う需要の拡大を反映したもので、前
年比9.4%増の14万5千トンとなった。第3位のカナダ(シェア11.9%)
も前年を大幅に上回る34.1%増の8万4千トンとなった。香港などその他の
アジア市場向けは、前年を下回る水準となった。

◇図:豚肉の国別輸出量◇


輸入は前年比1.7%減

 一方、2001年の豚肉輸入量は、前年比1.7%減の43万1千トンとなっ
た。主要輸入相手国別で見ると、全輸入量のシェアの8割を占めるカナダ産は、
為替が米ドル高で推移したことから、前年比3.8%増の34万7千トンとなっ
た。また、デンマーク産の輸入は、2001年春のヨーロッパにおける口蹄疫の
発生によって一時的に輸入が停止したこともあり、同18.8%減の5万4千ト
ンと前年を大幅に下回った。

◇図:豚肉の国別輸出量◇


2002年は輸出は減少、輸入は増加の見込み

 2002年の見通しについて、輸出量は、前年比5%減の67万4千トンと見
込まれている。これは、米国がアジア、ロシア、メキシコなどの市場において引
き続きカナダやEUといった他の輸出国との厳しい競争にさらされるためとUSDAで
はみている。しかし、日本でのBSE問題による牛肉消費低迷が今後も続けば、米
国産豚肉のさらなる輸出拡大が図られるとの展開も示されている。

 一方、輸入量については、前年比1.1%増の43万5千トンと見込まれてい
る。

◇図:豚肉輸出入量の推移◇

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