豪州の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○下落が予測される肉牛価格



●●●すべてのタイプで下落 ●●●

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、2002年6月の枝肉1キログラム当
たりに換算した肉牛価格は、若齢牛(NSW州)、肥育牛(QLD州)、経産牛(
QLD州)それぞれ、前年同月比15.5%安の286.3豪セント(約200円:1豪ドル=7
0円)、同19.8%安の240.3豪セント(約168円)、同25.9%安の203.5豪セント(約
142円)とすべてのタイプにおいて値下がりを記録した。2001年の9月に肉牛価格は、
国内外での強い需要等により、過去最高を記録する上昇の一途をたどっていたが、
日本における牛海綿状脳症(BSE)発生により下落し始めた。

 肉牛価格は2001年9月から10月にかけて急落したが、それまで記録的な高値を示し
ていたため、その後も前年同期の水準を上回って推移した。しかし、最近の干ばつ
による肉牛の早期出荷傾向や、豪ドル高による輸出不調等により、4月以降昨年を下
回る水準に下落している。

◇図:肉牛価格の推移◇



●●●2002/03年度の市場肉牛価格、値下がりの予測 ●●●

 このような中、豪州農業資源経済局(ABARE)が6月末に発表した短中期の予
測によると、2001/02年度(7月〜6月)の平均市場肉牛価格は、前述のとおり、高水
準で価格が推移していたため、前年度比14.7%高の305豪セント(約213円)/キログ
ラムと予測された。一方、2002/03年度については、国内供給が増加すること、日本
での需要の回復が望めないこと、米国向け牛肉輸出枠の制限問題があること等によ
り、前年度比20%安の243豪セント(約134円)/キログラムになると予測された。

◇図:年度別市場肉牛価格の推移◇



●●●2002/03年度肉牛輸出額は前年度を下回ると予想 ●●●

 また、ABAREは、肉牛の輸出額について、輸出量の増加(前年度比12%増)
にもかかわらず、前年度比8.5%安の36億豪ドル(2,520億円)と予測している。こ
れは、肉牛価格の低迷、豪ドル高によるものであるとしている。



元のページに戻る