◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2002年上半期(1〜6月)のブロイラー生産量(可食 処理ベース)は、前年同期比4.1%増の730万2千トンとなった。生産の指標となるひ なふ化羽数は、2001年5月以降前年同月を上回っており、また、1羽当たりのと体重 量も増加しているため、2002年通年での生産量については、前年比3.0%増の1,461 万トンと99年に次ぐ伸び率を見込んでいる。さらに、2003年は、前年比2.5%増の1 ,497万トンと過去最高を更新すると見ている。 ◇図:ブロイラーの生産量の推移◇
生産量の増加は、もも肉を中心とした輸出の拡大などを背景としたものであった が、既報のとおり最大の輸出市場であるロシアにおける輸入が依然として制限され ていることに加え、米国各州での鳥インフルエンザ発生による主要な輸出国におけ る輸入規制などから輸出需要は減少し、1〜4月の輸出量は、前年同期比25.1%減の 67万1千トンとなった。このため、それまでの好調な輸出を背景に、2001年1月以降、 前年同月に比べ20%程度低い水準で推移してきた冷凍鶏肉の在庫水準は、2002年2月 以降前年同月を上回って推移している。国内生産量の17〜18%が輸出に向けられて いるとされていることから、輸出量の減少は生産量、価格および在庫量へ大きく影 響している。5月末現在の冷凍鶏肉在庫は前年同月比23.7%増の123万7千トンとな り、在庫の積み増しが進んでいる。 ◇図:冷凍鶏肉在庫の推移◇
ブロイラー卸売価格(12都市平均丸どり価格)は、2002年2月以降前年同月を下 回って推移している。上記のような輸出減に加え、牛肉など他の食肉との競合が激 化していることなどから今年1〜6月の平均価格は、前年同期を4.3%下回る56.0ドル /ポンド(約149円/kg:1ドル=121円)と低迷している。これに伴い上半期におけ るブロイラー生産加工業者の純収益(丸どり1ポンド当たり:可食処理ベース)も前 年同期比17.8%安の9.15セント(24円/kg)と低下した。 ◇図:ブロイラーの生産コストおよび純収益◇
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