◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)は6月28日、主要作物の作付け動向に関する調査結果を公表し た。これによれば、トウモロコシの作付面積は3,194万9千ヘクタールとなり、前年 実績を4.2%上回った。トウモロコシの作付面積は、96年から98年にかけて毎年増 加したものの、99年からは増減を繰り返して推移している。なお、2002年の作付面 積は、2001年までの過去5年間の平均(3,176万ヘクタール)とほぼ同水準であった。 一方、今回の調査結果は、これに先立ち同月中旬にUSDAが公表した需給予測に含 まれていた作付面積の予想値を38万3千ヘクタール上回ったことから、この数値に 驚いた関係者も少なくなかったようだ。
州別では、最大の生産州であるアイオワ州で前年比4.3%増の493万7千ヘクター ル、これに次ぐイリノイ州で同5.5%増の469万4千ヘクタール、ネブラスカ州で同3 .7%増の339万9千ヘクタール、ミネソタ州で8.8%増の299万5千ヘクタールと、コー ンベルトの西側に位置する主要州で増加した。しかし、降雨の多かったコーンベル トの東側に位置するインディアナ州やオハイオ州では、大豆に作付けがシフトされ たことから、それぞれ6.9%および5.9%の減少となった。 主要州(上位 5 州)のトウモロコシ作付面積 (単位:千ヘクタール、%) 資料:USDA/NASS「Acreage」
遺伝子組み換えのトウモロコシの占めるシェアについては、前年に比べ8ポイント 増加し、34%に達した。内訳は、害虫に耐性を有するいわゆる「Btコーン」が4ポイ ント増の22%、除草剤に耐性を有するものが2ポイント増の9%などとなっている。 州別ではサウスダコタ州で、そのシェアが抜きん出ており、前年を19ポイント上回 る66%となっている。これに続き、ネブラスカ州が46%、ミネソタ州が44%、カン ザス州が43%、アイオワ州が41%といった結果が示された。
今回のUSDAの発表によって作付面積が判明したことで、今後の市場の焦点はトウ モロコシの生育状況に大きな影響を与え、単位当たり収量を左右する天候状況に向 けられる。7月8日にUSDAから公表された主要18州の生育状況報告では、「優良(Ex cellent)」と「良(good)」の合計が53%となっている。これは前年同時期との比 較で16ポイント下回り、前週との比較でも5ポイントの低下を示しており、このまま 単位当たり収量の減少に結びついていくのかなど、引き続き今後の状況から目が離 せない。
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