◇絵でみる需給動向◇
豪州農業資源経済局(ABARE)が6月に発表した四半期ごとの第1次産品の需 給予測によると、2001/02年度(7月〜6月)の生乳生産量は、年度当初の乾燥 気候により、前年度を下回る水準でスタートしたが、ヴィクトリア州、タス マニア州など南東部での夏の気候が前年に比べて非常に穏やかで牧草の生育 に比較的好条件となったため、生産量は前年度比12.0%増の1,180万キロリッ トルになるとしている。さらに2002/03年度では、3.2%増の1,220万キロリッ トルになると予測している。これは、飼養頭数の増加および1頭当たりの乳量 の増加が見込まれることなどによる。しかしながら、このところの乾燥気候 が春まで続いた場合、生産量はより低いものになるとしている。 2002/03年度の生産者乳価は、乳製品の国際価格の下落、豪ドル高により、 2001/02年度の予測値である1リットル当たり30.2豪セント(約21円:1豪ドル =70円)に比べて9.9%安の27.2豪セントと予測されている。 ◇図:生乳生産量の推移◇
2002/03年度の乳製品生産量は、前年度と比較して、チーズが5.8%、バタ ーが7.8%、全粉乳が16.5%、脱脂粉乳が6.1%それぞれ増加すると予測され ている。 一方、乳製品の国際価格については、チーズで前年度比9%安の1,830USド ル/トン、全粉乳で同20%安の1,370USドル/トン、脱脂粉乳で同21%安の1,3 00USドル/トンになるものと予測されており、これは、主にアジアの輸入国で の需要の低迷により低下するとみている。 ◇図:乳製品生産量の推移◇
乳製品の国際価格の低下予測により、2001/02年度の乳製品輸出額は、前年 度比3.6%減の29億4千万豪ドル(約2,058億円)となり、2002/03年度には、さ らに前年度比10.8%減の26億2千万豪ドル(約1,834億円)と予測された。これ には、国際価格の低迷のほかに、今後も豪ドル高で推移するとの予測も加味さ れている。
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