◇絵でみる需給動向◇
ニュージランド(NZ)の巨大乳業メーカーであるフォンテラによると、2001年6 月〜2002年4月の生乳生産量(乳固形ベース)は、前年同期を3.3%上回る105万ト ンとなった。NZの生乳生産は、同国の晩秋に当たる5月をもって搾乳シーズンを終 了することから、ニュージーランド農林省(MAF)が6月末に発表した予測による と、2001/02年度(6月〜5月)の生乳生産量は、前年を4.8%上回る109.6万トンに 落ち着くとみられている。これは、MAFが以前発表した予測を2.2%上回るものであ った。98/99年度は干ばつ等の悪天候に見舞われ生産量が前年度と比べて減少する こととなったが、それ以降は、毎年前年度を上回っている。このように、NZの酪農 は、放牧主体であるため天候による牧草の生育状況等により大きく左右されること になる。 ◇図:生乳生産量の推移◇
また、MAFは農家に支払われる最終乳価についても予測しており、2001/02年度の 平均価格は、前年度比5.4%高(27セント高)の5.28NZドル(約320円、1NZドル=6 0.6円)になるとみている。この値上がりの要因として、為替相場のNZドル安、乳 製品の国際価格が平均的に高かったこと等をあげている。なお、フォンテラは5月 末、最終生産者乳価を前年度比6.4%高の5.33NZドル(約323円)と発表した。
MAFは今後の生産者乳価について、国際価格の値下がりや為替の変動により、低下 するとみており、2002/03年度では、20.1%安の4.18NZドル(約253円)、一方フォ ンテラも、2001/02年度のような好成績の水準を維持できないとみており、MAFより もさらに低い、4.00NZドル(約242円)になるとみている。しかし、2003/04年度以 降には、国際価格も回復することから生産者乳価も上昇し、2006/07年度には、4.6 2NZドル(約280円)になるとMAFでは予測している。 ◇図:生産者乳価の推移◇
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