米国の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


生乳価格が低迷した2002年上半期


●●●生乳価格、乳製品価格ともに前年同期割れ ●●●

 米農務省(USDA)によると、生乳農家販売価格(グレードA(飲用規格乳)
およびグレードB(加工用規格乳)価格の加重平均)は、2002年3月以降連続
して前年同月を下回って推移し、2002年上半期(1〜6月)では前年同期比11
.9%安の12.6ドル/100ポンド(34円/kg:1ドル=121円)となった。

 また、乳製品卸売価格も、上半期でバターが前年同期比28.1%安の118.5セ
ント/ポンド(316円/kg)、チェダ−チーズが同11.5%安の122.6セント/
ポンド(327円/kg)、脱脂粉乳が同8.1%安の92.7セント/ポンド(247円/
kg)と低下が目立っている。(左図参照)こうした価格の低下は、生乳の供
給過剰によるものである。


●●●生乳の生産増により、乳製品生産量も増加傾向●●●

 経産牛頭数の減少度合いに比べ、1頭当たり乳量の伸びが大きいため、生乳
生産量は、2002年1〜5月で2,813万トンと前年同期を2.7%上回っている。こ
れに伴い、乳製品の生産量も増加傾向で推移しており、バターが前年同期に
比べ14.5%、脱脂粉乳が同10.4%、チーズが同2.3%といずれも増加してい
る。


●●●2002年の生乳価格(通年)は16.1%安の見込み ●●●

 一方、牛乳乳製品の国内需要は停滞している。中でもチーズはレストラン
等外食向けが軟調であったことが大きいとみられ、ほとんどのタイプで需要
が低迷した。特にモツァレラや冬場のピザ用が低迷したことは異例とみられ
る。消費者の食生活が一層堅実となってきており、昨年のタイトな市場とは
対照的に2002年は供給が需要を上回ると見込まれている。

 こうしたことから、2002年通年での生乳農家販売価格の平均は、前年より
2ドル以上低下し、12.35〜12.75ドル/100ポンド(33〜34円/kg)と2000年
並みの水準にまで落ち込むとの予測もなされている。

◇図:生乳農家販売価格の推移◇



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