米国の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○第 2 四半期、豚飼養頭数は増加



●●●総飼養頭数は 2 期連続で増加 ●●●

 米農務省(USDA)が四半期ごとに発表する豚の飼養動向調査によると、2002年第2四
半期(4〜6月)の豚の総飼養頭数は、前年同期(5,860万3千頭)に比べ、2.1%増の
5,983万7千頭となり、2002年第1四半期から2期続けての増加となった。

 区分別の飼養動向を見ると、繁殖豚(雄を含む。)が、前年同期比0.4%増の620万
9千頭、肥育豚が同2.3%増の5,362万7千頭となった。肥育豚の飼養頭数は高水準を
維持しており、これを体重階層別に見ると、60ポンド(約27kg)未満が前年に比べ
て1.1%の増加、また、60ポンド以上も3%程度の増加となっている。このため、豚
肉生産は今後も前年を上回って推移するものとみられる。業界アナリストの中には、
今年第4四半期における、98年のような肥育豚価格暴落の再来を懸念し、生産者に早
期出荷をうながす声も聞かれる。

◇図:豚飼養頭数の推移◇



●●●需要の減退から在庫増 ●●●

 一方、需要についてみると、主要輸出国であるカナダ向けが2002年累計(1〜4月
)で前年同期比8.6%増、日本向けおよびメキシコ向けが前年同期並みとなったもの
の、ロシアやその他の国向けの減少から全体では同4.6%減となった。さらに、国内
消費についても牛肉、鶏肉との競合から減退がみられる。こうした状況もあり、冷
凍豚肉の在庫水準は、2001年12月以降前年度を上回って推移しており、5月末現在で
は前年同月と比べて29.6%増となり、在庫の積み増しが顕著となっている。

◇図:冷凍豚肉在庫の推移◇



●●●肥育豚価格は依然弱含み ●●●

 このため、2001年10月以降おおむね前年同月割れが続いてきた肥育豚価格は、20
02年6月には、前年同月比34.0%安の100ポンド当たり36.0ドル(約96円/kg:1ドル
=121円)にまで低下した。また、年間平均では前年比26%安の34〜35ドル/100ポン
ド(約91〜93円/kg)に低下すると見込まれている。

 豚の飼養動向(2002年 6 月 1 日現在)
                             (単位:千頭、%)

 資料:USDA/NASS「Hogs and Pigs」
 注 1:肥育用、繁殖用ともに雌雄の計
   2:前年比は、2002年 6 月 1 日現在/2001年 6 月 1 日現在の比、前回比は、
       2002年 6 月 1 日現在/2002年 3 月 1 日現在の比






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