◇絵でみる需給動向◇
豪州フィードロット協会(ALFA)は、豪州家畜生産者事業団(MLA) との共同調査による四半期ごとのフィードロット飼養頭数調査の結果を発表し た。これによると、2002年3月末時点での総飼養頭数は、65万4千頭と、前年同 期比で0.2%増、前回の調査(2001年12月末)と比べると、2.7%の増加となっ ている。前回の調査では、飼養頭数が63万7千頭、前期比14%であり、今回の 調査ではさらに減少幅が大きいものと考えられていたが、日本で発生した牛海 面状脳症(BSE)の影響は予想よりも少なく、飼養頭数の早期回復と仕向け先 の多様化が進んでいることが示されたものとしている。 州別による飼養頭数を前回の調査と比べると、主要な穀物肥育牛生産州であ るクインズランド州が3%増の24万頭、ニューサウスウェールズ州で0.7%増で あった。両州とも昨年12月末時点では、それぞれ前期比26%、10%減と落ち込 んだが今期に回復をした。 また、稼働率については、74%と、前期と比べると5ポイント増加したが、 前年同期と比べると、8ポイント減少している結果となった。 ◇図:フィードロット飼養動向の推移◇
仕向け先別に見てみると、輸出向けが36万5千頭でフィードロット飼養頭 数全体の56%、国内向けが27万5千頭同42%となり、12月末と比較して輸出向 けが11ポイントの減少、国内向けが25ポイントの増加となっている。輸出向け では飼養頭数の5割以上を占めていた日本向けが初めて5割を切ることとなった。 一方で韓国向けが前期比33%増となっている。 国内向けが大幅に増加した要因としては、輸出向けに導入した素牛を先行き の不透明感から肥育期間を短縮して国内市場へ販売する動きが活発化したと考 えられる。また、国内向けの出荷頭数は増加傾向にあり、国内でも徐々にフィ ードロットで飼養された牛肉が浸透し始めたことが考えられる。 ◇図:穀物肥育牛仕向け先割合の推移◇
ALFAでは、フィードロット業界が多様なニーズに対応するための自助努力を 行ったことでBSE問題による影響を予想以上に少ないものにでき、日本向け も間もなく回復すると予想をしている。
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