◇絵でみる需給動向◇
ドイツ市場価格情報センター(ZMP)によると、2001年の乳製品輸出 (域外向け)は、チーズとホエイパウダーを除く主要品目で減少することとな った。中でも減少が著しいのは脱脂粉乳で、前年比60.9%減の13万9,300トン と国際的な需要の低迷を反映する形となった。また、全粉乳も同17.1%減の47 万5,400トン、バターは同4.2%減の12万4,300トンとなった。一方、チーズに ついては、同1.3%増の46万2,600トンと増加しており、需要の高まりを受け輸 出量を増加させている。 2001年の乳製品輸出量 資料:ZMP 注1:域外輸出 2:ドイツは除く
ZMPによると、2002年4月までの乳製品の国際市況は、世界経済の停滞などを 要因とした需要低迷、生乳生産の増加などにより、低い水準で推移していた。 EUからの乳製品輸出量が減少したのは、国際市況の影響によるところが大きい が、ZMPでは、4月以降、世界的な経済不況からの回復やチーズに対する需 要増加は続くため、乳製品の国際市況は回復するとみている。 ◇図:乳製品国際価格の推移◇
2001年の輸出量は大幅に減少を示した脱脂粉乳であるが、ZMPによる と、2002年の脱脂粉乳需給は、飼料用脱脂粉乳の需要と国際需要の比較的高い チーズ生産に影響されるとみている。飼料用脱脂粉乳に対する需要は、低迷す る脱脂粉乳価格により喚起される可能性が高いとしており、一方、2001年は好 調な市況にもかかわらず大きな増産とならなかったチーズ生産については、20 02年には増加が見込まれるとしている。 また、2001年11月以降引き上げが行われていた脱脂粉乳の輸出補助金である が、ZMPでは、2002年4月を最後に、今後の引き上げはないものとみており、脱 脂粉乳需給に影響を与えると考えられる。
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