◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランド家畜改良公社(LIC)によると、2001年の酪農場平 均価格(酪農経営に係る土地のみの平均価格)は、前年比21%増の1ヘクター ル当たり12,976NZドル(約766千円:1NZドル=59円)と大幅に値上りした。1 995年にはアジア向けの乳製品の輸出拡大に支えられ、生産者乳価が高水準 で推移し、酪農の収益性が向上したことを背景に上昇し、ピークを迎えた。そ の後5年連続で減少することとなったが、再び乳価の上昇に伴い、酪農の収益 性が向上し、収益の源となる酪農場価格も上昇傾向となっている。 ◇図:酪農場価格および生産者乳価の推移◇
酪農場価格の上昇は、酪農家が規模拡大を図るに当たって、経営を圧迫する 要因にもなるため、価格が上昇するのに従い酪農場売買戸数は減少傾向を見せ ている。乳価が高水準で推移すると、酪農家の経営規模拡大に対する意欲を後 押しすることになる。ニュージーランド(NZ)の酪農は放牧が中心であるため、 頭数に対し一定の牧草地面積を持つことが乳量の確保に結びつくことから、規 模拡大を進める酪農家は、既存財産(土地など)を担保に中小酪農家や離農跡 地を買収し、放牧地面積の拡大を図っている。そのような中で、酪農場の価格 上昇は、酪農家が規模拡大をするに当たって経営を圧迫する要因となるため、 価格が上昇するのに従い、酪農場売買戸数は減少傾向を見せている。 ◇図:酪農場売買件数および平均面積の推移◇
NZでは、現在、酪農経営の規模拡大に対する意欲が高まりをみせている。 現在の好調な乳製品輸出により、生産者乳価が大きく上昇することが予測され ることから、NZの酪農家にとって規模拡大の機会が広がって来ていると思われ る。ただし、酪農場価格が上昇したことにより、新規参入も難しいものとなっ ている。
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