◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2001年の牛乳乳製品消費量(政府の国 内向け無償供与部分を除く商業消費(購買消費)量)は、乳脂肪ベースの生乳 換算値で前年比0.9%増の7,685万トンとなった。2000年12月以降、生乳生産 量は前年同月を下回って推移する一方、景気の低迷により、2001年の牛 乳乳製品需要は前年を上回ったものの、その伸び率は小幅なものにとどまっ た。乳製品需要の伸びは外食部門に負うところが大きいが、2001年の実質国 内総生産(GDP)成長率が1.1%と成長率の鈍化を反映して、ここ数年で最も低 いものとなった。 ◇図:牛乳乳製品消費量の推移(製品ベース)◇
2001年の消費を製品別に見ると、97年以降おおむね減少傾向が続いて いた脱脂粉乳が前年比26.1%増の44万トンと大幅に消費を伸ばした。チェダ− チーズをはじめとするアメリカンタイプチーズが2.8%増の167万4千トンとな ったのに対し、モッツァレラチーズに代表されるアメリカンタイプ以外のもの は0.3%減の224万5千トンとなった。また、バターは前年比2.3%減の57万5千 トンとなった。 ◇図:乳製品の消費(生乳換算ベース)◇
2002年1〜2月の乳脂肪消費はわずかに前年同期を下回った一方で無脂肪固形 分は同1%程度減少したものとみられる。乳脂肪製品のうち、チーズについて は、アメリカンタイプが前年同期比4.9%減となったのに対し、その他のもの が2.6%程度の増加となり、チーズ全体では0.8%減とレストラン需要の落ち込 みを反映して需要が伸びなかった。また、脱脂粉乳は前年同期比34.8%減と大 幅に需要を減らしており、支持価格の低下を期待したバイヤーが購入を最小限 に抑えたためとされている。一方、飲用乳は、わずかながら需要を伸ばしてお り、これは、外食回数の減少を反映したものとみられている。 USDAは、「景気後退は極めて軽微であったことが判明しつつあり、またすで に終了したものと思われるが乳製品消費の回復は、経済情勢に基づいて通常予 測されるよりも時間を要するものとみられる。しかし、消費は長期的には、経 済状況に合致した形で回復に向かうだろう」とコメントしている。 また、USDAでは、2002年の牛乳乳製品消費について、景気は今後低迷から上 向くものとして、前年比2.2%増の7,856万トンと引き続き増加傾向で推移する と予測している。
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