WTO加盟後、養鶏産業の歩むべき道 ● 中 国
2002年の養鶏産業の展望
中国養鶏産業のある専門家は、2002年の養鶏産業を次のように見ている。
2002年はWTO加盟1年目であり、WTOの規則の下、様々な面でかなり大きな変
化が生じることになる。国際市場の情勢から分析して、相対的に優勢にあるの
は高品質の肉鶏を供給する食肉在来鶏部門であり、劣勢にあるのはブロイラー
部門である。鶏卵はその中間となる。良質の食肉在来鶏は、国際市場に競争相
手がいないため、中国独特の優勢な産業であるので、国内市場では輸入の圧力
を受けない。また、EUや日本においても良質な食肉在来鶏が求められており、
それぞれの市場における良質の食用鶏への需要はかなり大きい。一方、ブロイ
ラーは、高い技術によって生産経営しなければ効率的、持続的な発展は望めず、
国際的な市場には需要がかなりあるが、強力な競争相手も多く、競争は激烈で
ある。国内での需要にも限りがあり、さらにかなりの量の外国産鶏肉が輸入さ
れることから、短期的に大きく発展する可能性は少ない。市場も低迷を続けて
いるため、今年も大きな発展は望めない。ただ、生産経営体制や管理メカニズ
ムが刷新されれば、ある程度の好転は望めるであろう。
鶏卵は中国人が好んで食する伝統的な栄養食品であり、かなりの需要がある。
しかし、品質が劣るため大量に輸出することはできないが、新鮮な国外からの
鶏卵も保管、輸送に都合が悪く、損耗が大きいことから、大量に輸入されるこ
とはあり得ず、国産鶏卵が影響を受ける可能性は少ない。ただ、国外の品種が
多様で、品質の優れた鶏卵製品はおそらくかなりの数輸入されて、国内の都市
における鶏卵消費市場に影響を与えることになる。
養鶏の品質向上と国際化
中国養鶏産業の抱える主な問題は市場の問題ではなく、品質の問題である。
安全でない製品、品質の悪い製品は市場には受け入れてはもらえない。飼育技
術を学び、鶏の生物学的特性や生理的な特徴に基づいて科学的に飼育管理を実
施し、徹底した予防方針を貫き、安全措置を施し、薬物を用いないかあるいは
あまり用いず、規範的に薬を用いてこそ、養鶏を成功させることが可能である。
WTO加盟後、各種養鶏産業はいずれも標準化、規範化、法制化された国際市
場と連携したものとしなければならず、変化の激しい国際市場競争にも参加す
ることになる。世界第1の養鶏大国である中国は、量で勝負の養鶏産業が厳し
い試練に立たされることになる。このため、養鶏産業と関連のある人々は、こ
の産業の発展について、考え方を転換し、時流に合わせ、開拓、刷新を求める
必要がある。
産業近代化プロジェクトの実施
さらなる養鶏大国にするには、産業近代化の道を行くしか方法はない。政府
のサポートの下、経済的効果を発揮し、牽引車的存在となる企業+土地+養鶏
農家の産業モデルを構築し、契約方式によって統一的な鶏種の供給、飼料の供
給、技術サービスの提供を行い、統一的に製品を回収し、加工販売する生産、
供給、加工、販売をつなげた、畜産業、加工業、商業を一体化した利益共同体
を構築して、しっかりとした産業チェーンを作り上げることが必要である。近
代化のキーポイントは牽引車となる企業であり、その核心となるのは人材であ
る。
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