新農業法が成立 ● 米 国


 上下両院で調整が行われていた新農業法案が、4月26日の両院協議会での
合意を経た後、5月2日に下院本会議を、5月8日に上院本会議をそれぞれ通過し、
5月13日にブッシュ大統領の署名により成立した。

 本法については、国内の主要な農業関係団体の多くがこぞって歓迎の声明を
出す中、全国肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)やアメリカ食肉協会(AMI)など
は、食肉パッカーによる家畜所有を禁止する条項が削除されたことについては
評価しつつも、食肉の原産地表示義務化に関しては、事業者における負担増な
どを懸念し、難色を示している(メキシコやカナダから肥育素畜の供給を受け
ていることが反対の背景にある)。

 このように、本法の各論にまで目を向けると、必ずしもすべてを支持するわ
けではないが、これ以上審議が長引けば、せっかく確保された財源がふいにな
る恐れがあるため、背に腹はかえられないというのが、大方の農業団体、そし
て本年11月の中間選挙を控えて今回賛成票を投じた多くの与野党議員らの偽ら
ざる心境であろうし、これは署名をしたブッシュ大統領とて同じであろう。

 下表にもあるように、「市場志向型」をうたった現行の96年農業法からいわ
ば後退し、国内農業保護色の強い内容となっていることについて、カナダ、EU、
豪州、ブラジルといった国からも反発の声が上がっている。これに対し、「世
界貿易機関(WTO)協定にも整合的である」と今になってブッシュ政権が言い
始めているのが非常に興味深いところである。

○ 新農業法における主要政策の概要

(*注)現行の96年農業法が存続した場合に比べて増加する予算額。数値は、
    議会予算局(CBO)が本年5月6日に見直し・公表した水準(2002〜2011
    年の10年間では828億ドル)であり、昨年の予算決議をベースにした水
    準(452億ドル。10年間では735億ドル)に比べると、さらなる価格低
    下による支出増が見込まれている。

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