◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2001年1〜11月のブロイラー輸出量(可食 処理ベース)は、前年同期比14.3%増の259万トンとなった。この大幅な 増加は、ロシアやメキシコなどの主要な輸出先からの需要が極めて好調であった ことによる。このため、2001年通年のブロイラー輸出量は、前年比13.6 %増の277.9万トンと5年振りに2桁の伸びを記録すると見込んでいる。 ◇図:ブロイラー輸出量の推移◇
輸出相手先別実績を見ると、ロシア向けの伸びが際立っている。2001年1 月〜11月のロシア向け輸出量は、前年同期比81.6%増の97万トンとなっ た。第2位の香港(中国を含む)は前年同期比1.1%減の55万8千トンとな り、ロシアは、そのほぼ倍の数量を輸入したことになる。その他メキシコ向けが 前年同期比8%増の15万7千トン、日本向けが同0.1%減の9万6千トンと なった。なお、日本向けについては、11月9日から22日の間の一時輸入停止 措置が影響しているものと見られる。
ブロイラー輸出は85年以降、一貫して増加を続けてきた。今後の輸入国の経 済状況やブラジルなどの主要なブロイラー輸出国との競合にもよるが、USDAでは、 2002年の米国の輸出量は、伸び率は鈍化するものの、引き続き好調に推移し、 通年では288万トン、前年に比べ3.6%の増加と見ている。 なお、2月1日付けの報道によると、ロシアは鶏肉の輸入関税を現行の25% から30%へ引き上げる可能性を示唆した。これは、ロシア向け鶏肉の急増を制 限し、国内生産者を保護するためとされている。さらに、ロシアは米国からの鶏 肉輸入に対して衛生条件を厳しくするとしている。一方、米国家きん鶏卵輸出協 会(USAPEEC)ロシア事務所によると、市場は、関税の引き上げに対しては価格 の引き下げで対応するとしており、今後の輸出先の動向が注目される。 ◇図:国別ブロイラー輸出量◇
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