NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○好調を維持する乳製品輸出


2001/02年度の乳製品輸出額は好調

 ニュージーランド(NZ)統計局によると、2001/02年度(7〜6月)の
11月までのNZの主要乳製品3品(バター・脱脂粉乳・全粉乳)の輸出額は、前
年同期比25.2%増の16億3,338万NZドル(約931億226万円:1
NZドル=57円)となった。乳製品輸出額が増加した要因は、国際市場からの強
い乳製品需要に加え、国際市況の高値がNZ産乳製品の輸出価格に反映されたため
である。

◇図:乳製品輸出額の推移◇


輸出価格の高値が輸出額を後押し

 11月までの全粉乳輸出額は、前年度比30.3%増の8億7,973万NZド
ル(約501億4,461万円)と大幅な増加を示した。これに対して輸出量は
同17.9%増の17万9,529トンと輸出額ほどの増加率とはならなかった。
これは、全粉乳の輸出価格の高さを示すものであり、ここ5年間でもっとも低い
水準であった98/99年度と比較すると63.9%も上昇している。

 全粉乳を上回る増加率を示したのが脱脂粉乳で、輸出額が前年同期比63.6
%増の4億6,017万NZドル(約262億2,969万円)、輸出量は同40.
4%増の9万11トンとなった。脱脂粉乳の輸出価格は、これまで全粉乳を下回
っていたが2001年に入ってからは全粉乳の輸出価格を上回って推移している。

 その一方でバター輸出額は、前年同期比15.6%減の2億9,346万NZド
ル(約167億2,722万円)、輸出量は17.7%減の8万1,706トン
となった。回復の兆しは見せているものの輸出価格が低迷したことから、輸出額
とほぼ同じ減少率となった。

◇図:NZの輸出価格の推移◇


2001/02年度は国際市況の影響を受けず

 NZの酪農乳業界はこれまで、国際乳製品市況の好況により大きな利益を得て
おり、2001年11月までの乳製品輸出も量、額ともに好調といえる。しかし、
乳製品輸出業者によると、今後の国際市況は低落するとの見方が大きい。NZ最大
の乳業会社であるフォンテラでは、2001/02年度の乳製品輸出はすでに契
約済みであることから、フォンテラの酪農家は2001/02年度中は市況低落
の影響を受けないとしているものの、2002/03年度以降の動向については
不透明であるとも言える。

元のページに戻る