米国の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2001年の生乳生産は5年ぶりに前年割れ


2001年の生乳生産は前年比1.4%減

 米農務省(USDA)によると、2001年12月の生乳生産量は629万トンで、
11月に引き続き前年同月を上回った(0.9%増)。一方、通年では、1〜1
0月の間一貫して前年同月を下回ったため、前年比1.4%減の7,500万ト
ンとなり、96年以来5年ぶりに前年を下回った。


要因は頭数および1頭当たり乳量の減少

 生産量が前年を下回った要因としては、搾乳牛頭数および1頭当たり乳量の減
少が挙げられる。2001年の搾乳牛頭数は、912万頭で前年比1.0%の減
少となった。これは、更新用の未経産牛の価格が99年後半から高値で推移して
いるため、更新が進まなかったためと見られる。

 また、1頭当たりの乳量は、2001年9月以降、わずかな伸び率ながら前年
同月を上回って推移したものの、飼料の質の低下や天候の影響から2000年1
1月から2001年8月まで前年水準を下回ったことから、通年では、前年比0.
3%減の8,230kgとなった。更新されるべき牛が保留されたことも乳量の減
少に拍車をかけたものとみられる。

◇図:経産牛頭数および1頭当たり乳量の推移◇


供給減で2001年の生乳価格は上昇

 一方、2000年12月以降、一貫して前年同月を上回って推移してきた生産
者販売価格(グレードA(飲用乳規格乳)価格及びグレードB(加工乳規格乳)価
格の加重平均)は2001年の年間平均では、前年比21.2%高の14.94ド
ル/100ポンド(約44.1円/kg:1ドル=134円)となった。生乳供給
量が減少したことに加えて、チーズやバターなどの乳脂肪を中心とした需要が堅
調に推移したことから、3年ぶりに前年を上回った。

 USDAは、2002年の生乳生産量については、引き続き飼料価格が安値傾向で
推移するとし、前年比2.6%増の7,618万トンと見込んでいる。このため、
生乳価格は前年より値を下げ、12.85〜13.65ドル/100ポンド(約3
8円/kg)と予測されている。生産量の増加分は、チーズ生産に向けられるもの
とみられる。

◇図:生乳生産量および生乳価格の推移◇

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