米国の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○養豚の生産構造、大規模層が引き続き増加


飼養規模は引き続き拡大

 米農務省(USDA)が四半期ごとに発表する豚の飼養動向調査によると、200
1年の総経営体数は、前年比6.1%減の81,130戸となった。この減少幅
はここ数年で最も少ないが、これは、肥育豚価格が好調に推移した一方、飼料価
格の低下などにより、養豚経営の収益が良好だったためと見られる。しかし、経
営体数は、全体の8割以上を占める飼養規模1千頭未満の中小規模の経営を中心
に減少の一途をたどっており、1千頭未満の3階層(1〜99頭、100〜49
9頭、500〜999頭)は5年前と比べてほぼ半減している。一方、飼養規模
5千頭以上の経営は、毎年着実に増加し、5年前の1.1%から2001年には
全体の2.7%を占めるまでシェアを伸ばした。こうした中、2001年におけ
る1戸当たり平均飼養頭数は、大規模経営の増加を反映し、前年比5.8%増の
724頭とはじめて700頭台を超えた。

◇図:養豚飼養戸数および1戸当たり飼養頭数◇


5千頭以上の経営が半数以上の豚を飼養

 飼養頭数の規模別分布を見ると、2001年において、全体戸数のうち8.6
%のシェアを占める2千頭以上の経営が総飼養頭数の74.5%を飼養し、5千
頭以上の経営では52.5%と半数以上を占めている。豚の所有ベースで見ると、
総戸数110戸の5万頭以上の巨大経営による2001年の頭数シェアは、前年
の45.0%から47.0%とさらに拡大している。概して、大規模経営ほど1分
娩当たりの産子数が多く、100頭未満の経営(約7.5頭)と5万頭以上(約
8.9頭)とを比較すると、1.4頭程度の開きが見られる。

◇図:飼養規模別飼養頭数シェア◇


収益は2年連続して黒字を維持

 養豚経営の収益は、肥育豚価格が前年に比べ100ポンド当たり約1ドル(約
134円)上回ったことで、生産コストの上昇分を補った結果、2001年平均
で8.41ドル/100ポンド(約25円/kg)と前年に引き続き黒字を維持し
ている。2002年については、肥育豚価格が100ポンド当たり1〜2ドル低
下する見込みであること、とうもろこし価格のわずかな値上がりが予想されてい
ることなどから、USDAでは、生産者の収益は過去2年に比べわずかながら減少す
ると見込んでいる。

元のページに戻る