中国の養豚業、都市型中心に


養豚生産を高めるためには的確な情勢判断が不可欠

 中国農業大学は先般、2001年下半期から2002年にかけての中国養豚市場に関す
る提言を発表した。これによると、2001年下半期の養豚は、トウモロコシなど飼
料穀物収量の安定による飼料価格の下落から生産コストが削減されたことで、一
時の厳しい状況からの回復傾向にあるとしている。養豚生産のカギを握る飼料価
格については、穀物需要の高まりから上半期には飼料価格が大きく上昇したが、
下半期に入りトウモロコシなどの生産が安定すると見込まれたことから、価格は
徐々に値を下げており、今後も低下傾向で推移するとみている。飼料価格の高騰
時には、大規模養豚農場の多くで、生産コストの上昇から生産を縮小させる動き
がでていた。飼料価格の下げは見込まれるものの、穀物生産地域とそれ以外の地
域との価格差が大きくなるため、養豚生産を高めるためには価格動向を的確に把
握した飼料購入の実施が不可欠としている。


長期的収益確保には、抜本的な構造改革が必要

 同大学は、中国の養豚形態について、末端農家、大規模肥育、近代的企業養豚
段階で使用される資源、技術、設備がすべて異なり、また、生産、流通、販売に
至る過程も非常に複雑であると前置きした上で、2002年の養豚について、飼料価
格の低下によりある程度の収益は確保できるものの、抜本的に構造を改革しない
限り長期的な経営の安定は見込めないとしている。一方で、収益確保のためには、
生産拡大を図るだけでなく、飼養頭数をコントロールし、各省の価格動向を視野
に入れた出荷計画の策定も必要としている。農村地域の養豚は、規模的、また、
市場的要因から縮小傾向に向かうとし、需要と密接な都市部の養豚が拡大傾向に
向かうと見込んでいる。

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