◇絵でみる需給動向◇
豪州酪農庁(ADC)によると、2001/02年度(7〜6月)の生乳生産量は、前年度 比6.9%増の1,126万9千キロリットルとなった。そのうち、飲用向けは前年度比1 .8減の188万6千キロリットルとなり、生乳生産量に占める割合は17.9%となった。 飲用向け生産量を州別に見ると、飲用向け割合の高いニューサウスウェールズ( NSW)州とクインズランド(QLD)州では、それぞれ前年同月比3.7%減の60万7千 キロリットル、同1.3%増の39万8千キロリットルとなり、全国に占める割合は、 それぞれ、32.2%、21.1%となった。また、豪州の生乳生産量の65.7%を占める ビクトリア(VIC)州は、飲用向け生乳生産量は前年度比0.2%増の45万7千キロリ ットルとなり、全体に占める割合は24.2%となった。 ◇図:州別用途別生乳生産量(2001/02年度)◇
一方、加工向け原料乳の生産量は、前年度比8.8%増の938万3,300キロリットル となり、生乳生産量に占める割合は82.1%となった。主要な乳製品の生産量を見 ると、最も多かったのはチーズで、前年度比9.9%増の41万2,699トンとなった。 特に2001年7月以降、チーズ以外の乳製品の国際価格が下落し、他の乳製品からチ ーズに生産が移行したものと思われる。チーズ生産量を州別に見ると、VIC州が前 年度比11.3%増の27万4,733トンとなり、全体に占める割合は66.7%となった。そ の他の加工向けの生産割合が高い州では、南オーストラリア州で前年度比7.7%増 の3万6,126トン、タスマニア(TAS)州では同8.1%増の3万5,155トンとなり、全 体に占める割合はそれぞれ8.6%、8.5%となった。
その他主要な乳製品の生産を見ると、バターは、前年度比2.3%増の16万3,278 トン、全粉乳は、同16.2%増の23万8,683トンであった。これらの主要な乳製品の 生産量が増加する中で、脱脂粉乳は、同1.5%減の26万1,080トンと前年度を下回 った。国際的に脱脂粉乳の需給の緩和する中、豪州の輸出業者は、価格を引き下 げることにより、世界市場において、欧州産や米国産に対する競争力の向上を図 ったため、比較的小幅な減少にとどまることができたとみられている。 ◇図:年度別乳製品生産量◇
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