◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランド(NZ)の巨大乳業メーカーフォンテラは、先頃、2001/02(6 〜5月)年度の乳製品生産量を発表した。これによると、乳製品の生産量はすべて の主要品目(脱脂粉乳、チーズ、バター、全粉乳)において前年度を上回り、過 去最高を記録した。これは、天候に恵まれ、牧草の生育が順調だったことや、乳 用牛の飼養頭数の増加によって、生乳生産量が前年度比5.5%増の1,299万リット ルと過去最高になったことが反映されている。 脱脂粉乳を除く主要な乳製品は、90年以降一貫して増産傾向にあったが、98/99 年の干ばつによりいったん歯止めがかかることとなった。しかし、その後は再び 増産傾向に転じている。 ◇図:年度別生乳生産量と主要乳製品生産量の推移◇
製品別の生産状況を見ると、バターの生産量は39万5,290トンと前年度を1.1% 増上回った。全粉乳は、前年度比3.0%増の45万7,662トンとなった。 チーズは、前年度比21.1%増の30万7,192トンと、他の製品と比べて大幅に前年 度を上回った。2000/01年度は、粉乳の需要が強かったため、チーズへの生乳仕向 量が、前年度を下回ることとなったが、2001/02年度には、チーズの国際市場での 価格が堅調に推移し、強い需要を背景にチーズ生産量が増加することとなった。
脱脂粉乳については、前年度比13.3%増の30万2,074トンとなった。97/98年度 には、他の主要な製品が前年度を上回って推移する中、アジアの経済危機による 乳製品需要の低下により、前年度を下回ることとなった。翌98/99年度は、他の製 品の生産量が前年度を下回る中、マレーシアや台湾など一部のアジア地域からの 需要が回復したことや、ベトナム、中国などの新規市場が開拓されたことにより、 増加することとなった。その後は、国際価格が堅調であったことにより、毎年度 2ケタを超える増加率で推移した。2001/02年度は、好調な生乳生産や、価格の引 き下げによる国際市場での競争力の向上を図ったため、さらに前年度を上回るこ ととなった。 また、これら主要乳製品の他に、バターミルクパウダー、カゼインとカゼイネ ート、その他生産物(クリームチーズ、ラクトース、ホエイを含む。)の生産量 も前年度上回った。生産量はそれぞれ、前年度比6.1%増の4万226トン、同4.3% 増の12万7,421トン、6.5%増の6万4,535トンとなっている。
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