◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)が四半期ごとに発表する豚の飼養動向調査によると、2002年第 3四半期(7〜9月)の豚の総飼養頭数は、前年同期(5,860万3千頭)に比べ、0.7 %増の6,022万頭となった。これは、2001年第4四半期から4期続けての増加とな り、前回調査に引き続き6千万頭台の水準となった。 主要5州では、イリノイ州を除く主要4州でいずれも前回調査時より増加し、す べての州で前年同月を上回った。 豚の飼養動向(2002年9月1日現在) (単位:千頭、%) 資料:NASS/USDA「Hogs and Pigs」 注 1:肥育用、繁殖用ともに雌雄の計 2:前年比は01年9月1日現在のデータとの比較、 前回比は02年6月1日現在のデータとの比較
区分別の飼養動向を見ると、繁殖豚(雄を含む。)が、前年同期比1.7%減の605 万4千頭、肥育豚が同1.0%増の5,416万5千頭となった。肥育豚の飼養頭数は前年 を上回る水準を維持してきたが、今回調査では、その伸びが最近では最も低いも のとなった。これを体重階層別に見ると、60ポンド(約27キログラム)未満が前 年に比べて1.1%の減少となった一方で、60ポンド以上は2.2%の増加となってい る。 繁殖豚の飼養頭数については、7月から9月にかけてそれぞれ、前年同月比19.7 %、17.3%、11.6%と前年をかなり上回ると畜が行われたことから、4期ぶりに前 年同期を下回った。繁殖豚のと畜の増加については、干ばつによる飼料価格の上 昇や肥育豚価格の低迷などによるものとみられ、今後の生産基盤の縮小につなが るものと見込まれる。また、前年を上回って推移してきた子豚生産頭数も、6月以 降は前年水準を下回って推移している。 ◇図:飼養頭数の推移◇ ◇図:子豚生産頭数の推移◇
肥育豚価格は、供給の増加や米国産豚肉の輸出の減少、他の食肉との競合の激 化などから、2001年10月以降おおむね前年同月を下回って推移してきた。2002年 9月には、前年同月比44.5%安の100ポンド当たり26.5ドル(キログラム当たり72円 :1ドル=124円、以下同じ)となった。また、第4四半期(10〜12月)が26〜28ド ル(約71〜76円)、年間平均では33〜34ドル(約90〜93円)になるものと見込ま れている。 98年の価格の暴落の再来を懸念する声も聞かれたが、繁殖豚の飼養頭数が前年 を割り込んだ今回の調査結果から、相場の先行きを楽観視する向きもある。
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