マレーシア農業省、養鶏産業の実情を報告
ペアレント・ストック農場とふ卵場が調査対象
マレーシア農業省獣医局は、2001年のマレーシア半島諸州におけるブロイラー
産業と卵用鶏産業の実態および2002年の見込みに関する調査結果を公表した。実
態調査の対象は、ペアレント・ストック(PS)農場とふ卵場であり、昨年6月から
10月にかけて調査が行われた。
実態調査の調査項目は、ブロイラー、卵用鶏ともにほぼ共通の次の9項目であっ
た:@PSの導入スケジュール、APSの導入総数(卵用鶏の場合、PSの現在飼養数)
、B供用終了週齢、C産卵開始週齢、D5〜10%産卵週齢、E育すうおよび産卵期
間におけるへい死率、F平均ふ化率、G品種別割合、H1鶏舎当たりの販売可能ひ
な数。
調査結果は、これら項目ごとに記述するのではなく、これらのデータを基にし
て、両産業の動向を分析する方法が採られている。
ブロイラー用素ひな生産は、インテグレーター5社でPSひなの63%を導入
ブロイラーに関する調査結果によると、昨年、ブロイラー用素ひなを生産した
のは26社の63農場であった。26社のうち、インテグレーターは5社だけだが、PSひ
なの導入数で見るとインテグレーター分が約245万羽となっており、全体の約63%
を占めていた。PSによるひなの生産羽数は、約3億9,661万羽であった。これにタ
イからの輸入分である911万羽を加えたものが昨年のブロイラー生産の基礎となっ
ており、ブロイラーの生産羽数を対前年比5%増の約3億8,256万羽と推計している。
品種構成は、コブ(31.6%)、アーバー・エーカー(29.2%)、エビアン(28.6
%)、ロス(7.2%)の4品種で96.6%となっており、特に、コブ種の羽数は前年
の2倍となる大幅な増加を示している。ブロイラー用素ひなの価格は、1羽当たり
0.7〜1.5リンギ(約22〜48円:1リンギ=32円)の範囲で変動した。また、ブロイ
ラーの農家出荷価格は、生体重1kg当たり2〜3.5リンギ(約64〜112円)の範囲で
あった。
2001年の卵用鶏素ひな価格は安定的に推移
卵用鶏に関する調査結果によると、昨年、卵用鶏素ひなを生産したのは12社、
現存PS雌鶏数は約38万6千羽となっており、前年とほぼ同数であった。昨年の雌P
S導入数は、約35万羽であり、導入先は81.5%がEU、12.3%がインドネシア、6.2
%が米国となっている。PSの品種構成は、ローマン(24.6%)、ハイセックス(
19.0%)、イサ・ブラウン(17.1%)、ゴールデン・コメット(12.0%)、H&
Nブラウン・ニック(9.5%)、バブコック(9.2%)、ハイライン(8.6%)の7
品種であった。PSから生産された卵用鶏素ひなの羽数は、約2,173万羽であり、ひ
な1羽当たりの価格は、1.85〜2.1リンギ(約59〜67円)の範囲で比較的安定的に
推移した。鶏卵の生産個数は、ほぼ前年並みの約57億2千万個であり、1個当たり
の平均農家出荷価格は0.155リンギ(約5円)と前年を約3%下回った。
2002年のブロイラー価格は前年並み、鶏卵生産は生産過剰の見込み
2002年の見通しについて、報告書では、ブロイラー用素ひなの生産羽数を対前
年比約3%増の4億805万羽、ブロイラーの生産羽数を同1.3%増の3億8,761万羽と
し、ブロイラーの農家出荷価格も前年並みに推移するとしている。また、卵用鶏
については、卵用鶏素ひなの生産羽数を対前年比約3.8%増の2,256万羽、鶏卵生
産個数をほぼ前年並みの57億3千万個とし、生産過剰基調が続くことを見込んでい
る。
元のページに戻る