◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)がこのほど発表した牛の飼養動向調査によると、2002年7月1日 現在における牛の総飼養頭数は、前年を0.6%下回る1億520万頭となった。継続的 な干ばつの影響などから7月1日現在の飼養頭数としては、95年の1億1,130万頭を ピークに7年連続の減少となった。今回の調査結果についても、キャトルサイクル は現在も下降局面にあることが明らかとなった。 ◇図:牛の飼養頭数の推移◇
飼養頭数の内訳を見ると、牛群再構築のベースとなる繁殖雌牛が前年比0.2%減 の4,290万頭となった。また、肉用更新用未経産牛については、2001年は前年割れ となったものの、2002年は前年並みの460万頭となり、飼養頭数の減少に歯止めが かかった感もある。 しかし、今年も、主要な子牛の生産・育成地域である西部の山岳区から大平原 にかけての一帯や、東海岸の南部といった地域を中心に干ばつが広がっており、 放牧を中止してフィードロットに出荷される未経産牛もが増加していると見られ ることから、今後キャトルサイクルがさらに下向くことも避けられない状況とな っている。 肉用雌牛の飼養頭数の増減を主要な州別でみると、干ばつの被害の大きいコロ ラド州の前年比7.4%減を始めとして、カンザス州およびモンタナ州の同5.7%減、 ネブラスカ州の同3.3%減、カリフォルニア州の同2.6%減となった一方、テキサ ス州は同2.1%増、オクラホマ州は同2.6%増、アイオワ州同2.0%増となった。 牛の総飼養頭数 (単位:千頭、%) 資料:USDA/NASS「Cattle」 注 1:表中*1は500ポンド以上、*2は500ポンド未満の子牛 2:各年7月1日現在
また、肥育素牛価格の低迷により、子牛生産農家は増頭に消極的であり、現状 の飼養規模を維持しようとする傾向があるとみられる。肥育素牛価格(600〜650 ポンド、オクラホマシティ市場)は、2001年10月以降、前年を下回る水準で推移 しており、7月は88.0ドル/100ポンド(約235円/kg)となった。
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