◇絵でみる需給動向◇
豪州酪農庁(ADC)が発表した2001/02年度(7月〜6月)の乳製品輸出総額の速 報値によると、初めて30億豪ドルを突破した昨年度よりさらに250億豪ドル増加し、 前年度比7.7%増の32億5千万ドル(約2,275億円:1豪ドル=約70円)に達した。 昨年度(2000/01年度)の乳製品輸出総額は、乳製品の国際価格が高水準であっ たことから豪州のチーズと粉乳における価格も値上がりしたことや、記録的な豪 ドル安により、前年度(1999/2000年度)比33.8%増という伸びを示していた。2 001/02年度においては、2000年7月の酪農の酪農制度改革以後、生産能力の高い酪 農家を中心として増産が続いていることに加え、干ばつなどの影響も少なく気象 条件に恵まれたことから、生乳生産量が増加し、これに伴い輸出量も伸びた。し かし、年度後半には乳製品国際価格の下落、豪ドル高により、輸出量が好調に増 大した割に輸出額は低調なものとなった。 ◇図:乳製品輸出総額の推移◇
輸出相手国別に見ると、昨年度に引き続き日本向けが5億7,010万豪ドル(約39 9億70万円)で最大となっている。中でもチーズの輸出が大きなシェアを占めてい る。これに、フィリピンが、3億2,690万豪ドル(約212億2,485万円)、サウジア ラビアが、2億1,970万豪ドル(約142億8,050万円)で続いている。
一方、2001年7月〜2002年5月までの乳製品生産量は、生乳生産量の伸びにより、 ほとんどの製品において増加している。製品別生産量では、バターは前年同期比 1.9%増の15万3,303トン、全粉乳は前年同期比6.5%増の20万5,679トン、チーズ は前年同期比20.9%増の40万6,135トンとなったが、脱脂粉乳等は25万2,993トン となり、前年同期を0.2%下回った。チーズの生産増加が顕著であった理由として、 チーズ以外の乳製品の国際価格が低迷したため、チーズに生産が移行したためと 思われる。 ◇図:乳製品生産量の推移(7月〜5月期)◇
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