米国の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


2002年上半期の生乳生産は3%増


● ● ● 生産量は過去最高を更新 ● ● ●

 米農務省(USDA)によると、2002年1〜6月の生乳生産量は、3,910万2千トンと
前年同期を2.7%上回り、上半期としては過去最高であった2000年の記録を更新す
る結果となった。カリフォルニア州、アイダホ州など主要20州の生産量も2.6%増
の3,368万9千トンとなった。このうち、生乳生産の約7割を占める上位10州につい
て見ると、ミネソタ、ペンシルベニア、ウィスコンシン州を除きいずれも増加して
おり、中でも経産牛頭数の増加しているニューメキシコ州では、前年同期比15.7
%増で最大の伸びとなった。

◇図:州別生乳生産量の増加率◇


● ● ● 1頭当たり乳量増加により生産増加 ● ● ●

 生乳生産量の増加は、1頭当たり乳量の伸びによるところが大きいとみられる。
2002年上半期(1〜6月)の平均経産牛頭数は、前年同期並みの912万8千頭であっ
たのに対し、この期間の1頭当たり乳量は、飼料穀物価格が低水準で推移したこと
などから、前年同期比2.7%増の4,284kg/頭(1日当たり約23.8kg/頭)となって
いる。

◇図:経産牛頭数および1頭当たり乳量の推移◇


● ● ● 価格は低迷、2002年通年では19%安の見込み ● ● ●

 一方、7月1日現在の調査による更新用の乳用雌牛の飼養頭数は、前年同期比2.
8%増の370万頭となり、牛群拡大の兆しがみられる。これは主に中小規模を中心
とした生産者が、昨年の生乳価格の値上がりで収益を確保したことや、新農業法
においても加工原料乳価格支持制度が延長されたことで増頭意欲が高まっている
ことが背景にあるとみられる。

 生産量の増加を受け、生乳農家販売価格(飲用向け乳価と加工原料乳価の加重
平均)は、2002年3月以降連続して前年同月を下回って推移している。2002年の年
間生乳生産量は、前年比2.7%増の7,702万トンと見込まれており、2002年通年で
の平均価格は、前年比17〜19%安の100ポンド当たり12.05〜12.35ドル(32〜33円
/kg:1ドル=121円)と予想されている。



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