◇絵でみる需給動向◇
豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、2003年5月の日本向け輸出量(船 積みベース)は、冷凍品 1 万1,839トン(18.2%)、冷蔵品 1 万3,831トン(27.0%) 合計 2 万5,670トン(22.1%)となった。干ばつの影響で供給量が減少し、輸出 価格が上昇している中、前年の11月以降日本向け輸出量は増加している(表)。 4〜6月累計で見ると、2002年は前年に比べ大きく落ち込んでおり、BSEの影 響で需要が減退したことから輸入量が少なかったことが分かる(図1、2)。2003 年の4〜5月累計は、前年同期と比べ冷凍品は34.5%、冷蔵品は16.1%と大幅に 増加しているが、前々年前に比べると2割程度下回っている。 ◇図1 日本向け輸出量( 4〜6 月・冷凍品) ◇図2 日本向け輸出量( 4〜6 月・冷蔵品)◇
日本向け牛肉輸出量は、2000年では32万5,699トンあった。しかし、2001 年9月、日本国内でBSEが確認され、その後の輸出は大きな影響を受けた。2001 年11月、12月は急激に減少したものの2001年の合計は31万9,102トン(▲ 2.0%)とわずかな減少にとどまった。2001年1月には8,047トン(▲51.6%) まで低下したが、この月を底として徐々に回復している。なお、2002年の合計で は23万6,957トン(▲25.7%)と大幅な減少となっている(図3)。日本での牛 肉の消費の回復とともに輸出量も回復基調にあるが、まだ完全には回復していな い状態である。 ◇図3 日本向け牛肉輸出量の推移(船積みベース)◇
MLA「Market Briefs」5月号の中で、「アナリストらは、供給の制約に より2003年の日本向け牛肉輸出量は27万トンと前々年の85%相当と推測している」 と紹介している。またMLAは、日本での牛肉消費の回復は今後も続くが、輸入品、 国産品ともに、関税率の増加や価格の上昇のような供給の制約により回復は制限さ れると見ている。さらに牛肉の関税緊急措置の発動は市場をさらに不安定なものに することなどを述べている。
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