北京の市場での家きん販売について(中国)

企画情報部 企画課


ひとくちMemo

 2002年度の日本の鶏肉生産量は121万6千トン、鶏肉および鶏肉
調製品の輸入量は27万6千トンであった。一方、2002年の中国の
鶏肉生産量は1,465万3千トン、輸出量は28万7千トン、輸入量は
49万9千トンとなっている。中国は日本にとって、主要な輸入相
手国の1つであるが、輸出量の生産量に占める割合は約2%にすぎ
ない。2002年の中国国内の消費量については1,486万5千トンとな
っている(中国のデータは農畜産業振興事業団調べ)。

 中国における家きんの流通経路としては、生産者・食鶏処理業
者から直接スーパーマーケット、レストランなどに販売されるも
のがある。このほか、市場を経由するものとして、@生体のまま、
卸売市場→小売市場・レストラン→消費者に至る経路、Aと体が
丸のまま、あるいは分割、さらに包装されるなど、形態を変えな
がら、卸売市場→小売市場・レストラン→消費者に至るものに大
別される。
 

 北京東部にある「東郊卸売市場」。内部では比較的狭い通路を挟んで、食肉
などの出店が並んでいる。

      
 東郊卸売市場にある生体鶏(活鶏)の販売所。
建物の中では脱羽、解体など、お客さんのリク
エストに応じた作業をしてくれる。 

 中国では、特に南部において、生体での流通、
消費が盛んで、北京でも「週に1度は活鶏から
スープを作る」という家庭が多くあるという。 

 なお、南部では羽根が黄色系の地鶏に人気が
あるとのこと。
 北京の北東部に位置する八里橋農貿副産品卸
売市場にある活鶏の販売所。ここは98年に設置
された比較的新しい市場で、登録出店者数は2,
600となっている。農産物以外にも、日用品、
建設資材の販売スペースがある。 

 活鶏の販売所では、鶏以外にもウサギも販売
されていた。写真を撮る間にも鶏5羽とウサギ3
羽が購入されていった。

 


 八里橋農貿副産品卸売市場に掲示されている
「交易管理規定」。売買は相対取引で、11には
「情報データ収集のため、市場内に専任の人員
を配置して商品の種類、産地、価格、取扱数量
と取扱高に関する統計業務を行うこととし、市
場関係者は実際の状況を数字に反映させるよう、
この活動に協力しなければならない」とある。
中国農業部は、この市場を含む全国286の卸売
市場で価格をモニターしている。2002年の卸売
価格は、生体1キログラム当たり7.35元、と体
同7.39元(農畜産業振興事業団調べ)であった。
 
 八里橋農貿副産品卸売市場から、自転車で食肉
などを搬出。北京のレストランは、ホテル内の高
級なものから、街角の庶民向けのものまで、数多
く存在する。農家または食鶏処理施設から直接レ
ストランに納品されることもあるが、一般的には、
このように卸売市場に買い出し来ることが多いよ
うだ。
 
 三源里集貿市場の入り口。住宅街のにあるため、
近隣の住民が日々の買い物に利用している。 

 中国では、カルフール、イトーヨーカ堂などの
外資系スーパーマーケットが多く出店している。
また、地元資本のスーパーマーケットもあるが、
このような従来の小売市場も依然多く存在してい
る。
 
 三源里集貿市場の鶏肉売り場。丸どり、部分肉
などがそのまま陳列されている。 

 2002年の小売価格は、生体1キログラム当たり8
.94元、と体同9.32元となっている(中国の主要
都市のスーパーマーケットおよび小売市場の価格。
生体の品種、と体の品種、形態などの区別なく平
均したもの)。

 


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