◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランド(NZ)の生乳生産量は、おおむね増加傾向で推移している。 NZ農林省(MAF)が5月に更新した中期予測によると、2002/03年度(6〜5 月)の生乳生産量は、前年度比2.5%増の113.5万トン(乳固形分換算)とほぼ 前回どおりとなった(図1)。(なお、この予測は水不足や土地の利用制限などの 特別な障害がない場合を想定。) 生乳生産量は2007/08年度まで増加を続け、145万トンに達すると予測して いる。このうち96%の約140万トンが加工用に使われるとしているが、これは 2002/03年度と比べ23%の大幅な増加となる。 ◇図1:生乳生産量と生産者価格の推移◇
また、生乳生産者価格は2002年12月に公表したものよりも引き下げている。 2002/03年度の生乳生産者価格は、過去最高であった昨年に比べ、前年度比33% 安の乳固形分1キログラム当たり3.59NZドル(約234円:1NZドル=65円)と 急落した。これは、期中における国際乳製品価格の下落とNZドルが米ドルに対し て高値となったためとしている。しかし、2003/04年度以降の生産者価格は、国 際乳製品価格の回復とともに上昇し2007/08年度には5.13NZドルになるとみ ている。
2002/03年度の乳製品の国際価格は、全粉、脱脂粉乳、チーズ、カゼインのす べての品目で下落している。この下落率は過去10年間のうちで最も大きなもので あった。しかし、この年を底として以降は、アジアでの乳飲料・乳製品の生産や 非OECD諸国での所得の上昇から需要が増し、国際価格は上昇すると予測してい る(図2)。特にチーズは、ファストフード等の増加、バターは植物油に切り替え る消費者が多いものの高級レストランで需要の増加が見込まれるとしている。 ◇図2:乳製品国際価格の推移◇
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