◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2002年の牛乳乳製品消費量(政府の国内向け無 償供与部分を除く商業消費(購買消費)量)は、乳脂肪ベースの生乳換算値で前 年比0.5%増の7,735万トンとなった。乳製品消費の伸びは外食部門に負うところ が大きいといわれており、米国テロやイラク戦争などを背景とした景気の低迷を 反映している。 ちなみに、2001年11月以降、生乳生産量は前年同月を上回って推移したもの の、その伸び率は小幅なものにとどまった。 ◇図:牛乳乳製品消費量の推移◇
乳製品の消費を製品別(製品ベース、以下製品ごとの消費量は製品ベース)に 見ると、脱脂粉乳は96年以降おおむね減少傾向が続いていたが2001年に前年比 26.1%増の44万トンと大幅に消費を伸ばした。しかし、2002年に20.1%減の35 万トンと減少した。バターは2000年01年とわずかに減少したが2002年は前年 比1.6%増の58万4千トンとなった。一方、チーズは92年から堅調に消費を伸 ばし、2002年は同4.0%増の407万5千トンとなり、乳製品消費の全体の増加を けん引している。 ◇図:乳製品の品目別消費量の推移◇
2003年第1四半期の乳製品消費はわずかな増加となっている。乳製品のうち、 チーズについては、チェダーチーズをはじめとするアメリカンタイプチーズが前 年同期比0.1%増となったのに対し、モッツァレラチーズをその代表とするアメリ カンタイプ以外のものが同0.4%の増加となり、チーズ全体では0.5%増と需要の 落ち込みを反映してわずかな伸びとなった。また、脱脂粉乳は同1.28%減となり 減少が続いている。 USDAでは、2003年の牛乳乳製品消費について、景気は今後上向き増加傾向で 推移するものとし、前年比2.3%増の7,892万トンと予測している。
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