◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)の発表によると、5月の豚と畜頭数は前年同月比6.3%減の 780万頭となった。2002年後半から繁殖雌豚飼養頭数の減少、子豚生産頭数の減 少が続いてきたが、2003年4月にはと畜頭数が前年同月を下回り、5月も2カ月 連続の減少となった。 ◇図:と畜頭数の推移◇
肥育豚価格(生体重換算、全米平均取引価格)は、2001年10月以降おおむね 前年を下回って推移したが、昨年末から上昇傾向(対前年減少率が縮小傾向) を示し4月には18カ月ぶりに前年同月を上回った。2003年5月の肥育豚価格は、 前年同月を24.1%上回る100ポンド当たり43ドル(キログラム当たり112円: 1ドル=118円)となった。 繁殖雌豚飼養頭数の減少、子豚生産頭数の減少により2003年4月以降は、と畜 頭数の減少が見込まれることから肥育豚価格も回復が期待されている。 (左図参照)
USDAによると、米国の生体豚輸入は、そのすべてがカナダからの輸入となっ ている。肥育豚と110ポンド未満(約50キログラム未満、肥育向け子豚)に分類 される。カナダからの生体豚輸入は年々増加し、2002年の生体豚輸入頭数で前年 対比7.5%増の574万頭、うち肥育向け子豚は376万頭となっている。輸入頭数 の約7割が肥育向け子豚となっており、その割合は年々増加傾向となっている。 3月1日現在の米国の飼養頭数は、肥育豚および肥育向け子豚が5,215万頭で ある。2002年の生体豚輸入頭数の合計574万頭と比較するとカナダ産が米国の肥 育豚および肥育向け子豚に占める割合は、約11%となっており、全米3位のミネ ソタ州(同、551万頭)の飼養頭数を超えており、カナダは米国にとって重要な 供給地となっている。 ◇図:カナダからの生体輸入◇
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