欧州の高病原性鳥インフルエンザ、終息へ


オランダからの家きん等輸出禁止措置等を一部地域を除き解除

 EUでは、3月2日にオランダにおいて最初に高病原性鳥インフルエンザ(HPAI:
家きんペスト)が確認された後、ベルギーおよびドイツでも発生が確認されるな
ど、その被害が拡大した。しかし、各国の関係者の努力により、新たな発生が確
認されなくなり、被害は終息に向かうとみられている。

 5月28日のEUフードチェーン・家畜衛生常設委員会では、監視区域において は、移動禁止措置が解除されるまでの間に実施しなければならない追加措置を以 下の通り決定した。
1 農家から動物のエサ、敷きわらおよびふん尿をすべて取り除き、処分しなけ  ればならないこと。 2 発生農家における家畜の飼養再開前には、家きんなどの試験的な導入とウイ  ルス検査によって鳥インフルエンザが存在しないことを確認すること。
 6月13日に開催された同常設委員会は、オランダ、ベルギーおよびドイツにお ける鳥インフルエンザの発生状況と防疫措置について検討を行い、EU委員会はオ ランダのEU加盟国および第三国等への輸出禁止措置等を一部の地域を除いて18 日付けで解除することを発表した。ベルギーおよびドイツに対する移動制限措置 も緩和された。

13日の常設委員会承認に基づく各国の措置


1 オランダ
 オランダでは、3月2日に最初に鳥インフルエンザが確認されてから、252農場
で発生し、約2,800万羽の家きんが殺処分された。しかし、5月上旬以降、新た
な発生は確認されていない。

 この結果、EU委員会は、これまでの病気の拡大防止および撲滅のため実施され ていた生きた家きん、種卵および家きんのふん等のEU加盟国および第三国への 輸出禁止およびオランダ国内における移動禁止を一部の地域を除き6月18日付け で解除した。

2 ベルギー
 ベルギーにおいては、4月16日の発生以降、8農場で発生が確認され、約300
万羽が殺処分された。4月28日以降、新たな発生は確認されていない。

 この結果、アントワープ州・リンブルグ州の2つの州に対する移動禁止措置は6 月11日に終了し、6月12日以降は監視区域(発生農家を中心とする半径10キロ メートル)のみで移動禁止措置が適用された。

3 ドイツ
 ドイツにおいては、5月9日に報告されたノルトライン・ヴェストファーレン
州における発生のほか、新たな発生は報告されていない。

 この結果、同州のライン川西岸における移動禁止措置(ただし、一定の条件の 下、種卵、初生びな、食用に出荷される家きんは、適用除外としている。)につ いては6月24日には終了し、6月25日以降は監視区域のみで移動禁止措置が適 用される予定である。

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