豪州で食肉業界団体が統合


農場段階以降の業界団体が統合

 豪州食肉協議会(Australian Meat Council:AMC)と全国食肉協会(National 
Meat Association of Australia:NMAA)は5月22日、両団体が統合して豪州食
肉産業協議会(Australian Meat Industry Council:AMIC)を設立することを発
表した。この統合は、昨年8月に開催されたAMCとNMAAの合同年次総会にお
いてその計画について承認されていたもので、両団体ではNMAAが5月16日、
AMCが5月21日にそれぞれ会員による採決を実施し、統合が正式に認められた。

 両団体は、双方とも食肉(レッド・ミート:牛肉・羊肉)処理加工業者を主な 会員として構成されているが、NMAAには中小規模の食肉処理加工業者の会員が 多く、少量の特殊需要に対応した製品の製造者や食肉卸売・小売業者の会員も含 んでいるのに対し、AMCは主に大規模な食肉処理加工業者や輸出業者から構成さ れている。

業界の一致した意見の形成に寄与

 AMCのフレッチャー会長は、「業界は長年にわたって農場段階以降の部門にお
いて一致した意見形成の必要性を認識していた」とし、一方、NMAAのハードウ
イック理事長も、「農場段階以降の部門が一致して意見をまとめれば、より利益
を得ることが可能になるのは明らかである」と、今回の統合に当たって同様に、
AMICが今後、業界の円滑かつ効率的な意見の形成に寄与することに対して抱負を
述べている。

農相は業界内の利害調整能力の強化に期待

 豪州連邦政府のトラス農相は5月26日、「NMAAとAMCの統合は業界内で長
いこと望まれていたものである。豪州において食肉処理加工業者、卸売業者、小
売業者、輸出業者、調製品業者などを代表する団体としてAMICが設立されるこ
とで、さまざまな問題と将来の構想について一致して取り組むことが長期的に確
実なものとなる」と述べており、業界内でも規模において大手と中小、市場にお
いて輸出向けと国内向けなど、さまざまな利害関係が存在する中、その調整能力
の強化に期待をかけていることがうかがえる。

 また、同農相は、食肉業界の政策決定機関である食肉諮問委員会(RMAC)や 官民の代表により食肉の安全性や品質保証に取り組むセーフミート(Safemeat) の代表枠については、AMICが統合後も2つの枠を持つと言及しており、業界内で の発言権と責任分担についてはそのまま受け継ぐこととなる。

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