米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2002年の鶏肉業界は縮減傾向


● ● ● 鶏肉等生産額ベースで減少 ● ● ●

 米農務省(USDA)は4月にPoultry Production and Value 2002を発表した。
これによると、2002年11月30日現在の飼養羽数は対前年比2.4%増の85億9千万
羽となり、ブロイラーの生産量(生体重量ベース)は同3.6%増の19.9百万トン
となった。生産額は、同19.6%減の134億3,477万ドル(約1兆6,080億円、1
ドル=120円)となり大幅な減少となった。1羽当たりの販売単価も22.4%安の
100ポンド当たり30.5ドル(キログラム当たり約80円)と合せて大幅に下落し
た。

 また、卵は前年度比4.1%減の42億6,266万ドル(約5,144億円)、七面鳥は前
年度比3.2%減の27億ドル(約3,240億円)となり業界全体が沈滞した年でもあ
った。

◇図:ブロイラーの生産量と販売額の推移◇

● ● ● ジョージア州が引き続き最大の生産州 ● ● ●

 飼養羽数の州別動向を見ると、最大の生産州はジョージア州(合計に占める割
合は15.0%)で、前年度比3.5%増の12億9,050万羽と6年連続で首位を保っ
た。これに続く第2位のアーカンソー州(同13.8%)および第3位のアラバマ
州(同12.2%)については、それぞれ、1.3%増と4.3%増と前年度を上回った。
以下、ミシシッピ、ノースカロライナ、の各州についても、羽数、生産量はい
ずれも前年度を上回った。「ブロイラーベルト」と呼ばれるこれらの南東部5
州で全米の6割が生産されているが、生産額はジョージア州の前年対比20.4%
減19億3,575万ドル(約2,323億円)、アーカンソー22.1%減、アラバマ19.7%
減と大きく減少している。



● ● ● 米国産鶏肉に対するロシアの輸入割当 ● ● ●

 2003年からロシア政府は今後4カ年わたる鶏肉の国別輸入割当を発表した。米
国に対しては2003年4月の輸入分より枠が適用されることとなる。ロシアは世
界でも有数の鶏肉輸入国となっており、今回の措置は米国をはじめEU、ブラジ
ル、中国等ロシアに対する鶏肉輸出国にも影響を与えることとなる。米国のロ
シア向け鶏肉輸出は2001年で104万5千トン、2002年は鳥インフルエンザや輸
出検疫条件の問題で伸び悩み69万トンと減少したが、米国の鶏肉輸量の32%を
占める最大の輸出相手国である。

◇図:主要乳製品の輸出量◇

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