EUの豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○EUの豚飼養頭数はわずかに減少



● ● ● 豚肉飼養頭数は前年比0.6%減 ● ● ●

 EU統計局(EUROSTAT)によると、2002年12月におけるEU15カ国の豚総飼
養頭数は、前年比0.6%減の1億2,146万2千頭となった。このことは、本年
2月にEUROSTATが公表した2002年4〜6月における飼養頭数(同0.8%減)と
同様に、EUの豚肉生産の減少傾向が続いていることを示すものではあるが、
その程度は小さくなっており、比較的安定した生産が続けられていること
を表している。

 主要な豚生産国について見ると、スペインで前年比2.2%減の2,311万2千
頭、オランダで同3.1%減の1,115万4千頭となっている。スペインについて
は、2001年12月には前年を大幅に上回っていたが、2002年には減少に転じて
いる。ドイツ、フランス、デンマークについては、それぞれ同0.8%増の2,6
17万2千頭、同0.4%減の1,527万1千頭、同0.7%減の1,287万9千頭とほぼ前
年並み、イタリアでは同9.0%増の916万6千頭と大幅に増加している。

 カテゴリー別に見ると、繁殖用雌豚頭数、離乳子豚頭数は、それぞれ前年
比0.1%増の1,235万1千頭、同0.1%減の3,291万5千頭とほぼ前年並みであっ
たが、その他(肥育豚等)が同0.9%減となっている。

◇図:国別種類別豚飼養頭数◇


● ● ● 2003年と畜頭数はわずかに減少 ● ● ●

 2003年の豚と畜頭数は、オランダ、イギリスで前年と比べてそれぞれ5.6%、
8.3%と大きく減少するものの、デンマーク、ドイツ、フランスがそれぞれ1.4
%、1.0%、0.7%の増加が予測されていることから、EU全体としては0.6%減の
2億93万3千頭と予測されている。

 日本への豚肉の主要輸出国であるデンマークについて見ると、2002年12月の
繁殖雌豚頭数が前年比2.0%増の137万5千頭、離乳子豚頭数が同0.5%減の411
万2千頭で、2003年のと畜頭数は、同1.4%増の2,453万7千頭が見込まれてい
る。

◇図:国別豚と畜頭数◇


● ● ● 民間在庫補助対象豚肉の出荷始まる ● ● ●

 また、EU委員会によると、2002年12月に約4年ぶりに実施されたEUの民間
在庫補助(APS)の対象となった豚肉の出荷が4月から始まったとしている。
同委員会によるとAPSの対象となった豚肉の数量は全体で約11万1,862トン、
そのうちデンマーク産が約5万トンと全体の44.4%を占めた。EUの豚肉管理
委員会に提出された出荷計画(契約内容から推定される出荷時期)では、4月
に2,838トン、5月に5,563トン、6月に1万7,548トン、7月に3万6,052トン、8
月に1万3,791トン、9月に2,972トンがそれぞれ出荷されることとなっている。
なお、実際の出荷時期・量は、各事業者等の判断により一定の条件の下で変
更できることとなっている。


元のページに戻る