豪州の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2002/03年度第3四半期の牛肉輸出は増加


● ● ● 前年同期比8.6%増 ● ● ●

 豪州農林漁業省(AFFA)によると、2002/03年度第3四半期(1〜
3月)の牛肉輸出量(船積ベース:冷蔵および冷凍)は、前年同期比
8.6%増の約19万3千トンとなった。これは、最大の輸出先である米
国や、カナダなどへの輸出は減少したが、米国に次ぐ輸出先の日本
や、韓国などが増加したことによる。なお、月ごとの輸出量は、前
年同月比で1月は30.0%増、2月は7.6%増、3月は2.3%減となった。
輸出量を国別に見ると、米国向けは為替相場が米ドルに対して豪ド
ル高で推移したことに加え、国内のハンバーガーチェーンなど外食
産業で需要が停滞したことなどから、15.9%減の7万1千トンとなっ
た。また、カナダ向けは、ウルグアイ産牛肉などと競合したことな
どから、10.7%減の13万8千トンとなった。

 一方、日本向けは、2001年9月に牛海綿状脳症(BSE)の発生が確
認されてから落ち込んだ日本国内の牛肉需要がある程度回復したこ
とから、73.9%増の6万4千トンとなった。しかし、発生前の輸出量
と比較すると依然として2割程度下回っている。また、日本に次ぐ
輸出先の韓国向けは家庭での需要が旺盛であったことから、17.1%
増の1万7千トンとなった。台湾や中近東諸国向けなどの輸出も増加
した。

第3四半期の国別牛肉輸出量

資料:「AFFA」
 注:船積ベース

● ● ● 米国、日本への対照的な輸出量が輸出価格にも反映 ● ● ●

 このように対米、対日の輸出量が対照的であったことは、両国への
輸出価格にも反映されている。米国向けの輸出価格は、2002年12月に
はキログラム当たり331.8豪セント(約242円:1豪ドル=約73円)であ
ったが、今年に入って低下し2003年3月には、前年同月を29.5%下回る
296.8豪セント(約216円)となった。一方、日本向けの輸出価格は、
2002年7月から上昇し12月には152.7米セント/ポンド(約181円:1米
ドル=119円)となった。今年に入っても価格は上昇し、3月は前年同
月を28.3%上回る169.0米セント(約201円)となった。

牛肉輸出価格の推移

資料:MLA「Meat the Market」、「Meat & Livestook Weekly」


● ● ● 今後も日米両国の輸出環境がカギ ● ● ●

MLA(豪州食肉家畜生産者事業団)によると、2003年の米国の牛肉輸入は
増加し、日本も2002年よりも回復することが見込まれている。米国はイ
ラク戦争による国内消費の一層の落ち込みが懸念されたが、戦争が早期
に終結したことから今後はまず為替の好転が期待される。日本も景気低
迷の中で今後、国内牛肉需要の回復が望まれる。韓国や他の諸国(地域)
への輸出をめぐり、豪州に次ぐ牛肉輸出国である米国や南米諸国との競争
が今後一層激しくなると予想されるだけに、今後も豪州の全牛肉輸出量の
7割近くを占める両国の輸出環境がカギを握りそうだ。


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