◇絵でみる需給動向◇
ドイツ市場価格情報センター(ZMP)によると、EUにおける牛肉消費量は、 2002年は前年比9.1%増の743万トン(速報値)となった。2001年は牛海綿状 脳症(BSE)の再燃により消費が減退していたが、2002年はほとんどの国で 消費が回復した。EUの牛肉の1人1年当たり消費量は、前年を1.6キログラム 上回る19.6キログラムとなった。国別に見ると、フランスが27.8キログラム と最も多く、イタリアが24.5キログラム、デンマークが23.0キログラムと なっている。その他、平均を上回った国は、スウェーデン、ギリシャ、ベル ギー、ルクセンブルクであった。また、ドイツが12.7キログラムと少ないが、 それでも前年を1.3キログラム上回ることとなった。
BSEの発生件数は、国際獣疫事務局(OIE)によると、2002年は、前年比 19.1%減少の1,749頭(速報値)となった。BSEの発生が最も多いイギリス では、92年まで増加傾向で推移していたが、数々のBSE撲滅に向けた対策が 実施されていることもあり、その後は減少している。また、イギリスを除 く国では、スウェーデンを除くすべての国で発生が確認されている。2002 年の発生件数を見ると、スペイン、アイルランド、オランダを除いて減少 している。
BSE患畜となった牛の肉が市場に流通をさせないため、24ヵ月齢を超える 牛については、獣医師の判断により緊急と畜された場合およびと畜場で食 用に不適と判断された場合について、また、健康な牛であっても、30ヵ月 齢を超えるものについては全頭、と畜時にBSE検査が義務付けられている。 EU委員会は2月26日、2002年のその結果を発表した。これによると、総検査 数が前年比21.9%増の約104万件で、陽性数が同3.3%減の2,081件であった。 EUにおけるBSE発生状況の推移 資料:OIE 注:1.2002年の頭数は、一部の国を除き、2003年4月4日現在のものである。 2.デンマークの2002年は、2002年10月31日現在のものである。 3.イギリスの2002年は、2002年9月30日現在のものである。 4.フランスの99年には、輸入牛1頭を含む。 5.アイルランドの89には5頭、90年には1頭、91、92年には各2頭、94、95年には各1頭の輸入牛を含む。 6.イタリアの2002年には、輸入牛2頭を含む。 2002年EUにおけるBSE検査結果 資料:EU委員会(2003年2月26日現在)
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