◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)が3月31日に発表した作付意向調査結果によれば、 2003年のトウモロコシの作付意向面積は、3,198万ヘクタールで、前年 実績並みと予想されている。今回の調査では、コーンベルト地帯の西部 で作付面積の増加が見込まれている。これは、昨年継続した降雨により、 大豆にシフトした生産者が、トウモロコシに再び転換したためと見られ ている。 作付面積の上位5州(全体の約6割を占める)の動向を見ると、最大の 生産州であるアイオワ州は498万ヘクタールで前年実績並み、これに次ぐ イリノイ州は457万ヘクタール、4位のミネソタ州は300万ヘクタール、5 位のインディアナ州は231万ヘクタールといずれも前年実績を上回る。し かし、3位のネブラスカ州は332万ヘクタールと前年実績を下回ると見込 まれている。 全米および主要州におけるトウモロコシ作付面積 資料:USDA「Prospective Plantings」 注 1 :2003年は計画値 2 :シェアは、2002年の実績に基づく
一方、大豆については、前年水準を3.4%下回る2,266万ヘクタールと 予想されている。これは、3年連続の減少となり、1999年以降では最小の 作付面積となる。前年を下回る要因としては、前述のトウモロコシの転 換に加えて、2002年5月に改正された農業法においてトウモロコシのロー ンレート(融資単価)が1ブッシェル当たり1.86ドルから1.96ドルに引き 上げられた一方で、大豆は5.26ドルから5.00ドルへと引き下げられたこ とで、大豆の作付け意欲が衰えたことも挙げられる。 主要な生産州であるイリノイ州、インディアナ州およびネブラスカ州 では、それぞれ2〜3%の減少となっている。
また、今回の調査結果によれば、2003年の遺伝子組み換え(GM)品種 の作付意向面積の割合は、トウモロコシが前年実績の34%を4ポイント上 回る全体の38%となっている。その内訳は、害虫耐性品種(Btコーン) が26%で前年実績より4ポイント増加、除草剤耐性品種が9%で前年実績 より1ポイント増加、害虫・除草剤耐性品種が3%で前年実績より1ポイン ト増加した。 大豆についても昨年実績より6ポイント上昇して全体の80%がGM大豆を 選択するという結果となっている。前年と比較して9ポイント上昇した。 内訳について見ると、すべて除草剤耐性の品種であった。
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